真鍮(C材・黄銅)
真鍮は銅と亜鉛の合金で、加工性や耐食性に優れた金属です。JIS規格ではC3604が一般的で、装飾品や機械部品、楽器に使用されます。

真鍮(C材・黄銅)は、銅と亜鉛を主成分とする合金で、金属加工において非常に重要な素材の一つです。その特性や用途について詳しく解説します。
真鍮(C材・黄銅)の特徴
優れた加工性
真鍮は切削加工、曲げ加工、プレス加工など、幅広い加工方法に対応しやすい柔らかさを持っています。このため、複雑な形状を作るのに適した素材です。美しい外観
鮮やかな金色の光沢が特徴で、装飾品や建築部材など、美観が重視される用途に使用されます。優れた耐食性
銅の特性により、湿気や空気中の酸素に対して比較的強く、錆びにくい素材です。電気伝導性と熱伝導性
銅ほど高くはありませんが、真鍮も電気伝導性や熱伝導性に優れており、電気部品や冷却器具に用いられることがあります。コストパフォーマンスの高さ
純銅や他の特殊金属に比べ、比較的コストが抑えられるため、大量生産品にも適しています。
真鍮の主な用途
装飾品・美術工芸品 真鍮の金色の光沢を生かし、アクセサリー、彫刻、建築装飾品として用いられます。
機械部品 優れた機械加工性により、歯車、ベアリング、バルブなどの部品に使用されます。
電気・電子部品 電気伝導性を生かし、端子、コネクタ、ソケットなどに利用されます。
楽器 美しい外観と音響特性から、トランペットやサクソフォンといった金管楽器に採用されています。
真鍮加工時の注意点
工具の選定
柔らかいため加工しやすいですが、加工熱による変色が発生する場合があります。適切な切削速度と冷却を心掛けましょう。耐食性の限界
塩水や酸性環境では腐食する場合があります。その場合、表面処理(メッキや塗装)で対策を講じる必要があります。リサイクル性
リサイクル可能な素材であるため、加工時に発生する端材やスクラップを廃棄せずに回収することでコスト削減につながります。
まとめ
真鍮(C材・黄銅)は、その加工性、美観、耐食性、そしてコストパフォーマンスの高さから、工業用途から装飾品に至るまで幅広い分野で活躍する素材です。金属加工の現場では、特性を理解し、適切な加工法や表面処理を行うことで、真鍮の特性を最大限に活用できます。