Vickers Hardness Value
HV とは?
HVとは?|微小部・表面硬化層の評価に適したビッカース硬度
HVとは、ビッカース硬度(Vickers Hardness)の硬度表記で、ダイヤモンド圧子を材料表面に押し込み、その圧痕の対角線長さから硬さを算出します。金属材料全般に適用でき、薄肉部品・表面処理層・微小領域の硬度評価に広く使われています。
HVの基本的な考え方
ビッカース硬度は、一定荷重で押し込んだ圧痕の大きさを測定します。
圧痕が小さい → 硬い(HV値が高い)
圧痕が大きい → 柔らかい(HV値が低い)
測定原理がシンプルで、硬度スケール間の比較や分布評価に向いています。
なぜHVが使われるのか
HVが選ばれる理由は次の通りです。
薄物・微小部でも測定可能
表面硬化層(浸炭・窒化・コーティング)の評価に適する
鋼・アルミ・銅・ステンレスなど材質を選ばない
硬度分布(深さ方向)の測定が可能
研究・品質保証・量産評価まで幅広く対応できます。
HVの代表的な硬度目安(参考)
※一般的な目安です。
HV 100~200:軟鋼・アルミ
HV 200~300:一般機械構造用鋼
HV 300~500:調質鋼・ステンレス
HV 500~700:浸炭・窒化層
HV 700以上:コーティング・超硬領域
用途により必要HVレンジを設定します。
HVとHRC・HBとの違い
HV:微小部・薄物・表面層向け
HRC:焼入れ鋼の管理に最適
HB:鋳物・軟質材向け
HVは換算の基準として使われることも多く、材質横断で比較できる点が特長です。
加工・品質管理への影響
表面処理の効果確認
硬化層深さの評価
焼入れムラの検出
研削焼け・軟化の確認
HV測定は不良の“見える化”に有効です。
測定時の注意点
測定荷重(HV0.5、HV1、HV10など)を明確化
表面粗さ・研磨状態の影響に注意
圧痕間隔・端部距離の確保
表面処理品は処理層厚以上の測定条件を選定
測定条件が結果に直結しま す。
図面・調達時の実務ポイント
HV値+測定荷重の明記
表面硬度か芯部硬度かを区別
測定位置(表面/断面)の指定
試験成績の要否を明確化
「HV○○」だけでなく、条件までセットで指定することが重要です。
HVがよく使われる用途
浸炭・窒化処理品
DLC・TiNなどコーティング評価
薄肉・小型部品
精密部品の硬度分布測定
研究・品質保証用途
まとめ
HV(ビッカース硬度)は、微小部・表面層まで正確に評価できる汎用性の 高い硬度指標です。HRCでは評価しにくい部位でも、硬度状態を定量的に把握できます。
用途・測定条件を正しく設定することで、熱処理・表面処理・加工品質を確実に管理できます。
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