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Urethane Spring

ウレタンバネ

ウレタンバネとは、ポリウレタン樹脂の弾性を利用したばね部品です。


金属製のコイルスプリングとは異なり、ウレタン自体が圧縮されることで反発力を発生します。


プレス金型では、ストリッパーの押さえ、材料押さえ、戻し機構、クッション、衝撃吸収などに使われます。

省スペースで大きな反力を得やすく、金型内の限られたスペースに組み込みやすい点が特徴です。



■ウレタンバネの基本情報


項目

内容

分類

金型部品・弾性部品・クッション材

英語表記

Urethane Spring / Polyurethane Spring

主な材料

ポリウレタン樹脂

主な役割

押さえ、戻し、反発、衝撃吸収、クッション

使用箇所

プレス金型、ストリッパー、治具、装置部品

主な特徴

省スペース、高反力、静音性、衝撃吸収性

注意点

へたり、温度、油、劣化、圧縮率管理


■ウレタンバネの仕組み


ウレタンバネは、圧縮されることで内部に反発力を発生します。


プレス金型では、上型が下降した際にウレタンバネが圧縮され、上型が上昇するとウレタンの反発力によってストリッパーや押さえ部品を元の位置へ戻します。


金属ばねのように線材が伸び縮みするのではなく、  

◆樹脂全体が弾性変形するため、面で力を受けやすく、衝撃を吸収しやすい特徴があります。



■ウレタンバネの主な用途


用途

内容

ストリッパー押さえ

材料を押さえ、パンチから材料を離す力を与える

戻し機構

可動部品を元の位置へ戻す

クッション

衝撃や打撃音を吸収する

材料押さえ

曲げ・抜き加工時の材料浮きを抑える

治具の押さえ

ワークを柔らかく保持する

簡易ばね機構

省スペースで反力を得たい部分に使う


■ウレタンバネのメリット


メリット

内容

省スペースで使える

小さなスペースでも比較的大きな反力を得やすい

衝撃吸収性がある

金属ばねより打撃音や衝撃を抑えやすい

面で押さえやすい

材料や部品を広い面で受けられる

構造が簡単

金型や治具に組み込みやすい

静音性がある

金属同士の衝突音を抑えやすい


■ウレタンバネのデメリット


ウレタンバネのデメリットは、使用条件によってへたりや劣化が発生することです。


  • 長時間圧縮された状態が続くと、元の高さに戻りにくくなる場合があります。これを永久ひずみ、またはへたりと呼びます。


  • 高温環境、油、薬品、紫外線などの影響を受けると、硬化、軟化、割れ、反力低下が起こることがあります。


◆金属ばねに比べると、使用環境の影響を受けやすい点に注意が必要です。



■ウレタンバネとコイルスプリングの違い


項目

ウレタンバネ

コイルスプリング

材料

ポリウレタン樹脂

ばね鋼などの金属

反力

圧縮変形で発生

線材の弾性で発生

衝撃吸収

高い

比較的低い

省スペース性

高反力を得やすい

取付長さが必要な場合あり

耐久性

使用環境に影響されやすい

条件次第で長寿命

注意点

へたり、温度、油劣化

折損、へたり、座屈


■ウレタンバネとガススプリングの違い


  • ガススプリングは、内部の窒素ガス圧を利用して大きな反力を発生する金型部品です。高い反力を安定して得やすく、大型金型や高荷重の押さえに使われます。


  • ウレタンバネは構造がシンプルで、比較的安価に使える点が特徴です。ただし、反力の安定性や寿命管理では、ガススプリングの方が有利な場合があります。


◆小型・簡易構造ではウレタンバネ、大きな押さえ力や反力管理が必要な場合はガススプリングが選ばれることがあります。



■ウレタンバネの選定ポイント


ウレタンバネを選ぶ際は、必要反力、取付スペース、圧縮量、使用温度、使用頻度を確認します。


特に重要なのは圧縮率です。ウレタンバネは過度に圧縮すると、へたりや割れが発生しやすくなります。メーカー推奨の圧縮率を超えないように設計することが重要です。


また、硬度によって反力が変わります。硬いウレタンほど大きな反力を得られますが、衝撃や割れには注意が必要です。



■ウレタンバネで発生しやすい不良


ウレタンバネで発生しやすい不良には、へたり、割れ、欠け、反力低下、変形、膨れ、摩耗があります。


圧縮量が大きすぎる場合や、使用回数が多い場合、ウレタンが劣化して高さが戻らなくなることがあります。また、油や薬品が付着すると、材質によっては膨潤や硬化が起こることがあります。


金型内で抜きカスや異物を噛み込むと、ウレタン表面に傷が入り、割れや欠けの原因になります。



■ウレタンバネの注意点


ウレタンバネでは、圧縮率、取付スペース、逃げ、温度、油・薬品への耐性を確認することが重要です。


圧縮時にはウレタンが横方向へ膨らむため、周囲に逃げスペースが必要です。逃げが不足すると、ウレタンが拘束されて破損したり、想定以上の反力が発生したりする場合があります。


また、連続高速プレスでは発熱や疲労による劣化が進むことがあります。量産では定期交換の目安を決めておくと、加工品質を安定させやすくなります。



■図面・金型設計で注意すべきこと


金型設計では、ウレタンバネの外径、高さ、硬度、圧縮量、取付位置を明確にします。


ストリッパー用に使う場合は、必要な押さえ力とストローク量を確認し、複数個をバランスよく配置することが重要です。


配置が偏ると、ストリッパーが傾き、材料押さえ不良やパンチ折損につながる場合があります。


また、交換しやすい構造にしておくことで、メンテナンス性が向上します。



■まとめ


ウレタンバネとは、ポリウレタン樹脂の弾性を利用した金型用ばね部品です。プレス金型のストリッパー押さえ、戻し、クッション、材料押さえ、治具の保持などに使われます。


省スペースで反力を得やすく、衝撃吸収性や静音性に優れる一方で、へたり、割れ、温度、油、薬品による劣化には注意が必要です。


高品質なプレス加工を行うには、必要反力、圧縮率、硬度、配置バランス、逃げスペース、定期交換を適切に管理することが重要です。

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