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Trivalent Chromate Conversion Coating

三価クロメート

三価クロメートとは、亜鉛メッキや亜鉛合金メッキの表面に、三価クロムを主成分とした化成皮膜を形成し、耐食性・防錆性・外観性を高める表面処理です。


従来のクロメート処理では六価クロムを使用するものが多くありましたが、環境負荷や安全性への配慮から、現在では三価クロメートが主流になっています。


特に自動車部品、電気電子部品、機械部品、輸出関連部品では、RoHS指令などの環境規制に対応するため、三価クロメートが指定されるケースが増えています。


三価クロメートは、亜鉛メッキ後の表面に薄い化成皮膜を作ることで、亜鉛の白錆を抑え、鉄素地の赤錆発生を遅らせる役割を持ちます。


ボルト、ナット、ブラケット、プレス部品、板金部品、機械部品など、防錆性が求められる鉄系部品に広く使用されています。



■三価クロメートの主な目的

目的

内容

主な効果

防錆性向上

亜鉛メッキ表面を化成皮膜で保護

白錆・赤錆の発生を抑える

環境規制対応

六価クロムを使用しない仕様に対応

RoHS対応、環境負荷低減

外観性向上

青白色、黒色などの外観を付与

部品の見た目を整える

識別性付与

色調で仕様を区別

組立・管理ミスの防止

量産対応

比較的低コストで処理可能

ねじ・金具・板金部品に適する

三価クロメートは、単なる色付けではなく、亜鉛メッキの耐食性を高めるための後処理です。特に環境対応が求められる現在の製造業では、標準的な防錆仕様として多く採用されています。



■三価クロメートの主な種類

種類

外観

特徴

主な用途

三価白クロメート

青白色・銀白色

一般的な三価クロメート。外観がきれい

機械部品、ねじ、金具

三価有色クロメート

淡黄色・干渉色系

耐食性を高めた仕様で使われることがある

板金部品、屋内外部品

三価黒クロメート

黒色

防錆性と意匠性を両立

外観部品、装置部品

高耐食三価クロメート

青白色・黒色など

トップコート併用で耐食性を強化

自動車部品、高耐食部品

三価クロメート+トップコート

処理色+透明皮膜

耐食性・耐薬品性・摩擦特性を向上

締結部品、機能部品

三価クロメートは、処理液や後処理によって性能が変わります。一般防錆用途では三価白クロメート、高い防錆性が必要な場合は高耐食仕様やトップコート併用が選ばれます。



■三価クロメートと六価クロメートの違い

比較項目

三価クロメート

六価クロメート

主成分

三価クロム

六価クロム

環境対応

RoHS対応品として使われやすい

環境規制対象になりやすい

使用傾向

現在の主流

置き換えが進んでいる

外観

青白色、黒色、淡色系

黄色、虹色、緑色など

耐食性

高耐食仕様で向上可能

自己修復性が高い傾向

主な用途

自動車、電機、一般機械部品

古い図面仕様、特殊指定品

六価クロメートは耐食性に優れる一方、環境・安全面で課題があります。そのため、現在では六価クロムを含まない三価クロメートへの置き換えが進んでいます。

ただし、古い図面では「有色クロメート」「クロメート」とだけ記載されている場合があり、三価か六価かを確認することが重要です。



■三価クロメートの基本工程

工程

内容

脱脂

表面の油分や汚れを除去する

酸洗い

酸化物やスケールを除去する

亜鉛メッキ

鉄素地に亜鉛皮膜を形成する

水洗

薬液を洗い流す

三価クロメート処理

三価クロム系処理液で化成皮膜を形成する

トップコート

必要に応じて耐食性や機能性を高める

乾燥・検査

外観、膜厚、色調、耐食性を確認する

三価クロメートは、多くの場合、亜鉛メッキ後の後処理として行われます。亜鉛メッキ単体では白錆が発生しやすいため、三価クロメート皮膜で表面を保護することで、耐食性を向上させます。



■三価クロメートのメリット


  • 三価クロメートの最大のメリットは、環境規制に対応しながら、亜鉛メッキの防錆性を高められることです。六価クロムを使用しない仕様として扱われるため、RoHS対応や環境配慮が必要な製品に適しています。


  • 亜鉛メッキ後の白錆を抑え、製品外観を安定させる効果があります。青白色や黒色などの外観を付与できるため、部品の識別や意匠性向上にも役立ちます。


  • 比較的低コストで量産処理に向いているため、ねじ、ボルト、ナット、プレス部品、板金部品、ブラケットなどに広く使われます。防錆性、環境対応、コストのバランスに優れた表面処理です。



■三価クロメートの注意点


三価クロメートは環境対応型の処理として有効ですが、使用環境によっては耐食性が不足する場合があります。


  • 屋外、海沿い、高湿度、薬品雰囲気などでは、通常の三価クロメートだけでは十分でないことがあります。その場合は、高耐食三価クロメート、トップコート、亜鉛ニッケルメッキ、溶融亜鉛メッキ、塗装併用などを検討します。


  • 三価クロメート皮膜は薄いため、強い摩擦や打痕で損傷すると、防錆性能が低下する可能性があります。処理後の部品は、梱包・輸送・組立時の擦れにも注意が必要です。


※図面指示にも注意が必要です。


  • 「クロメート」「ユニクロ」「有色クロメート」とだけ記載されている場合、三価クロメートなのか六価クロメートなのか、また色調や耐食性要求がどの程度なのかが不明確なことがあります。環境規制対応が必要な場合は、「三価クロメート」「RoHS対応」「六価クロムフリー」などを明記することが重要です。



■三価クロメートと関連処理の違い

表面処理

特徴

主な目的

亜鉛メッキ

鉄表面に亜鉛皮膜を形成

鉄の赤錆防止

三価クロメート

亜鉛メッキ表面に三価クロム系皮膜を形成

白錆防止、環境対応

六価クロメート

六価クロム系皮膜を形成

高耐食だが環境規制に注意

亜鉛ニッケルメッキ

亜鉛とニッケルの合金皮膜

高耐食、自動車部品向け

溶融亜鉛メッキ

厚い亜鉛皮膜を形成

屋外鋼材、重防食

黒染め

鉄表面に黒色酸化皮膜を形成

黒色外観、寸法変化低減

三価クロメートは、亜鉛メッキと組み合わせて使われる後処理です。亜鉛メッキが鉄素地を守り、三価クロメートが亜鉛皮膜を保護するという関係になります。



■製造現場での活用例

活用分野

使用例

ねじ・締結部品

ボルト、ナット、座金、小ねじ

機械部品

ブラケット、プレート、カバー、固定金具

板金加工

曲げ部品、プレス部品、装置カバー

自動車部品

取付金具、固定具、シャーシ関連部品

電気電子部品

制御盤部品、配電盤部品、端子金具

建築金物

屋内部品、固定金具、アンカー部品

三価クロメートは、防錆性と環境対応が求められる幅広い部品に使用されます。特に量産部品では、コストと性能のバランスが良く、標準仕様として採用されやすい処理です。



■SEO向けまとめ


三価クロメートとは、亜鉛メッキ表面に三価クロムを主成分とした化成皮膜を形成し、防錆性・耐食性・外観性を高める表面処理です。


六価クロムを使用しない環境対応型のクロメート処理として、自動車部品、電気電子部品、機械部品、板金部品などに広く採用されています。


亜鉛メッキ後の白錆を抑え、鉄素地の赤錆発生を遅らせる効果があります。


一般的な三価白クロメート、三価黒クロメート、高耐食三価クロメート、トップコート併用仕様などがあり、用途や耐食性要求に応じて選定することが重要です。

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