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Thread Rolling

転造

転造とは、材料を削るのではなく、硬い工具を押し付けながら回転させ、塑性変形によって目的の形状を作る加工方法です。


代表的なものに、ねじを作る「ねじ転造」があります。丸棒材に転造ダイスを押し当てることで、材料表面を盛り上げながらねじ山を形成します。


切削ねじのように材料を削り取らないため、材料ロスが少なく、加工速度も速いのが特徴です。ねじ、ローレット、スプライン、セレーション、ウォーム、溝形状などの加工に使われます。



■転造の仕組み


転造では、素材を2つまたは3つの転造工具で挟み込み、工具の形状を材料表面に押し写します。


ねじ転造の場合、転造ダイスにねじ山形状が刻まれており、素材を回転させながら圧力を加えることで、材料表面が塑性変形してねじ山ができます。


材料を削るのではなく、押し流して成形するため、

◆加工後の繊維状組織が切断されにくく、表面強度や疲労強度が高くなりやすい点が特徴です。



■転造の目的


転造の目的は、高強度で精度の安定した形状を、効率よく量産することです。


切削加工では、工具で材料を削って形状を作ります。一方、転造では材料を押し固めながら形状を作るため、表面が緻密になり、強度向上が期待できます。


特にねじ部品では、転造ねじは切削ねじに比べて疲労強度が高く、量産性にも優れます。そのため、ボルト、ねじ、シャフト、スタッド、精密軸部品などに広く使用されます。



■転造の主な用途


転造は、ボルト、ねじ、スタッドボルト、シャフト、ピン、ウォーム、スプライン軸、セレーション軸、ローレット部品などに使われます。


自動車部品、建設機械部品、産業機械部品、電気機器部品、締結部品など、強度と量産性が求められる分野で多く採用されています。


特にねじ部品では、外ねじ加工に転造が多く使われます。


◆量産品では、切削よりも短時間で加工できるため、コスト削減にもつながります。



■転造のメリット


  • 加工速度が速く、量産性に優れることです。材料を削る工程がないため、切りくずが発生しにくく、加工時間も短縮できます。


  • 材料表面が圧縮されるため、加工硬化によって強度が向上しやすくなります。ねじ山の繊維組織が切断されにくいため、疲労強度や耐摩耗性の向上も期待できます。


  • 表面粗さが良好になりやすく、ねじ山の仕上がりも安定しやすい点が特徴です。工具寿命も比較的長く、量産部品では高いコストメリットがあります。



■転造のデメリット


  • 加工できる材料や形状に制限があることです。

  材料を塑性変形させる加工のため、硬すぎる材料や伸びの少ない材料では割れや欠けが発生する

  場合があります。また、転造前の素材径や表面状態が適切でないと、ねじ山形状や寸法精度が

  安定しません。


  • 専用の転造工具や設備が必要です。少量生産や特殊形状では、切削加工の方が柔軟に対応しやすい場合があります。



■転造と切削加工の違い


  • 転造は、材料を削らずに押し広げて形状を作る →  量産性と強度に優れます。特に外ねじでは、転造ねじの方が切削ねじよりも強度や表面品質で有利になることがあります。


  • 切削加工は、工具で材料を削り取って形状を作る → 少量生産や複雑形状への対応力が高く、設備の汎用性もあります。しかし、材料を削るため切りくずが発生し、加工時間も長くなる場合があります。


つまり、

◆試作や少量・特殊形状では切削、量産・高強度ねじでは転造が適しています。



■転造に適した材料


転造には、塑性変形しやすい材料が適しています。


代表的な材料には、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、アルミ、銅、真鍮などがあります。ボルトやねじでは、鉄系材料やステンレスがよく使われます。


ただし、材料の硬さが高すぎると、転造時に割れや工具摩耗が発生しやすくなります。


◆熱処理後の高硬度材では転造が難しい場合があるため、通常は熱処理前に転造を行うことが多くあります。



■ねじ転造


ねじ転造は、転造加工の中でも代表的な加工方法です。


丸棒材に転造ダイスを押し付け、材料表面を盛り上げることでねじ山を成形します。切削ねじと異なり、材料繊維が連続しやすいため、ねじ山の強度が高くなりやすい特徴があります。


量産用のボルト、小ねじ、スタッド、シャフト端部のねじ加工などに広く使用されます。



■ローレット転造


ローレット転造とは、材料表面に細かな凹凸模様を付ける加工です。


つまみ、ノブ、工具のグリップ部、滑り止め部品などに使われます。工具を押し当てて模様を転写するため、切削ローレットよりも効率よく加工できる場合があります。


◆滑り止め、意匠性、手触り向上を目的として採用されます。



■転造の注意点


転造では、素材径、材料硬さ、工具形状、押し込み量、潤滑状態が重要です。


素材径が大きすぎる   → 余分な材料が逃げ場を失い、ねじ山が潰れたり割れたりする場合があります。

素材径が小さすぎる   → ねじ山高さが不足し、規格寸法を満たせません。


潤滑が不十分      → 焼付き、かじり、工具摩耗が発生しやすくなります。


◆安定した品質を得るには、材料管理と工具管理が欠かせません。



■図面指示で注意すべきこと


図面では、ねじサイズ、ピッチ、有効長さ、精度等級、素材径、表面処理、熱処理の有無を明確に指定することが重要です。


転造ねじでは、加工前の素材径が仕上がり寸法に大きく影響します。また、熱処理やメッキを行う場合は、処理後の寸法変化やねじ精度も考慮する必要があります。


ねじ部が強度上重要な場合は、転造指定を行うことで、切削ねじとの認識違いを防ぎやすくなります。



■まとめ


転造とは、材料を削らずに工具で押し付け、塑性変形によってねじ・溝・ローレット・スプラインなどを成形する加工方法です。


切りくずが出にくく、加工速度が速く、量産性に優れます。また、加工硬化や繊維組織の連続性により、切削加工よりも強度や疲労特性で有利になる場合があります。


一方で、材料の硬さ、素材径、工具条件、潤滑状態によって品質が大きく変わります。転造は、特にねじ部品や軸部品の量産に適した、高強度・高効率な塑性加工です。

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