Tempering Heat Treatment
焼き戻しとは?
焼き戻しとは?|焼き入れ後の脆さを抑え、実用特性を整える熱処理
焼き戻しとは、焼き入れ後の鋼材を再度加熱し、靭性(粘り)を回復させる熱処理です。焼き入れによって得られた高硬度はそのままに、割れやすさ・内部応力を低減し、実使用に適した材料特性へ調整します。
焼き入れと焼き戻しは、必ずセットで考えるべき工程です。
焼き戻しの特徴
焼き戻しの最大の特長は、硬度と靭性のバランス調整です。
焼き入れによる脆さを低減
内部応力の除去
割れ・欠けの防止
使用条件に合わせた特性調整
実用部品としての信頼性を確保します。
焼き戻しで得られる主な効果
焼き戻し処理により、以下 の効果が得られます。
靭性(粘り)の向上
衝撃・疲労耐性の改善
寸法安定性の向上
長期使用時の信頼性確保
単なる硬さではなく、使える硬さを実現します。
焼き戻しの基本工程
一般的な焼き戻し工程は以下の通りです。
焼き入れ後、適切な温度まで再加熱
一定時間保持
空冷または炉冷
温度と保持時間が、最終特性を決定します。
焼き戻し温度と特性の関係(目安)
低温焼き戻し(150〜250℃)高硬度維持・工具・刃物向け
中温焼き戻し(300〜450℃)強度と靭性のバランス
高温焼き戻し(500〜650℃)靭性重視・構造部品向け
用途に応じた温度選定が重要です。
焼き戻しが向いている材料
焼き戻しは、焼き入れが可能な鋼材で行われます。
炭素鋼(S45C など)
合金鋼(SCM415、SCM440 など)
工具鋼
アルミやオーステナイト系ステンレスには適用され ません。
焼き戻しとサブゼロ処理の関係
焼き戻し脆さ低減・安定化
サブゼロ処理残留オーステナイト低減
高精度・高耐久用途では併用されることもあります。
焼き戻し時の注意点
焼き戻しでは、以下の点に注意が必要です。
焼き戻し不足による脆さ残存
焼き戻し脆性の温度帯回避
寸法変化・歪み
材質と用途に応じた条件管理が重要です。
焼き戻しの主な用途
焼き入れ後の全鋼部品
シャフト・ギア
金型部品
工具・刃物
機械構造部品
ほぼすべての焼き入れ鋼部品で必要とされます。
まとめ
焼き戻しは、焼き入れで得た高硬度を実用レベルに調整し、信頼性を確保するために不可欠な熱処理です。適切な焼き戻し条件を選定することで、硬さ・粘り・耐久性をバランス良く備えた部品を実現できます。
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