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Surface Roughness / Ra and Rz

表面粗さ(Ra/Rz)

表面粗さとは、加工された部品表面に存在する細かな凹凸の状態を数値で表したものです。


金属加工では、旋削、フライス、研削、放電加工、レーザー加工、板金加工、研磨、ラップ仕上げなど、加工方法によって表面の状態が変わります。


表面粗さは、その仕上がりを客観的に管理するための重要な品質項目です。

見た目がきれいかどうかだけでなく、摺動性、摩耗、密着性、シール性、塗装性、メッキ性、疲労強度にも影響します。



■表面粗さの基本情報

項目

内容

分類

表面性状・加工品質・図面指示

英語表記

Surface Roughness

代表指標

Ra、Rz、Rmax、Ryなど

主な用途

摺動面、シール面、外観面、接着面、塗装面、精密部品

測定方法

接触式粗さ測定機、非接触式測定機など

関連工程

旋削、フライス、研削、研磨、放電加工、表面処理

注意点

必要以上に厳しい指定は加工コスト増につながる


■Raとは


Raとは、算術平均粗さのことです。


加工面の凹凸を一定長さで測定し、平均的な粗さを数値化した指標です。図面では「Ra 1.6」「Ra 3.2」のように表記されることが多く、数値が小さいほど表面が滑らかであることを示します。


Raは平均値で評価するため、表面全体の一般的な粗さを把握しやすい指標です。そのため、機械加工図面で最もよく使われる表面粗さの表記の一つです。


ただし、平均値であるため、深い傷や局所的な山・谷があっても、Raだけでは十分に評価できない場合があります。



■Rzとは


Rzとは、最大高さ粗さに近い考え方で、測定範囲内の山と谷の高さ差を評価する指標です。


一般的には、Raよりも局所的な凹凸や深い谷、突出した山の影響を受けやすい指標です。図面では「Rz 6.3」「Rz 12.5」のように表記されます。


Rzは、シール面、摺動面、圧入面、接触面など、局所的な凹凸が機能に影響しやすい部位で重要になります。

例えば、Oリングが当たる面に深い傷があると漏れにつながる場合があります。


このような場合、RaだけでなくRzで管理した方が適切なことがあります。



■RaとRzの違い

項目

Ra

Rz

意味

平均的な粗さ

山と谷の高さ差を重視した粗さ

特徴

表面全体の平均状態を見やすい

局所的な凹凸の影響を受けやすい

よく使う場面

一般機械加工面、外観面、通常仕上げ

シール面、摺動面、接触面、精密機能面

注意点

深い傷を見逃す場合がある

Raより数値が大きく出やすい

イメージ

全体のなめらかさ

最大に近い凹凸の高さ

Raは「平均的な滑らかさ」を見る指標、Rzは「表面の山谷の大きさ」を見る指標と考えると分かりやすいです。



■表面粗さが必要な理由


表面粗さが必要な理由は、表面状態が部品の機能に大きく影響するためです。


摺動部品では、粗すぎると摩耗が早くなり、滑らかすぎると油膜保持性が悪くなる場合があります。シール面では、粗すぎると漏れの原因になり、傷や谷が深いと密封性が低下します。


塗装やメッキでは、表面が粗すぎると外観不良になり、逆に滑らかすぎると密着性が不足する場合があります。


◆接着や溶射では、適度な粗さが密着力に関係します。



■表面粗さのメリット

メリット

内容

加工面品質を数値化できる

見た目や感覚ではなく、数値で管理できる

機能面を安定させられる

摺動性、シール性、密着性を管理しやすい

加工業者と認識を合わせやすい

図面上で仕上げレベルを明確にできる

不良原因を追跡しやすい

摩耗、漏れ、外観不良の原因分析に使える

過剰品質を防ぎやすい

必要な箇所だけ適切な粗さを指定できる


■表面粗さのデメリット・注意点


表面粗さを厳しく指定しすぎると、加工コストが大きく上がります。


例えば、通常のフライス加工で十分な面に対して、研削やラップ仕上げレベルの粗さを指定すると、加工時間、工程数、検査工数が増えます。


また、すべての面を細かく指定すると、加工業者が必要以上に仕上げ加工を行うことになり、納期や価格に影響します。


◆表面粗さは、機能上必要な面に絞って指定することが重要です。



■表面粗さの目安

粗さの目安

主なイメージ・用途

Ra 12.5程度

粗加工面、鋳物面、外観を重視しない面

Ra 6.3程度

一般的な機械加工面、粗めの切削面

Ra 3.2程度

汎用的な切削仕上げ面、一般部品の取付面

Ra 1.6程度

きれいな切削面、はめあい面、外観をやや重視する面

Ra 0.8程度

研削仕上げ、摺動面、精密部品

Ra 0.4以下

高精度研削、ラップ、シール面、精密摺動面

※実際の指定値は、材質、加工方法、機能、測定条件によって変わります。



■加工方法と表面粗さ

加工方法

表面粗さの傾向

旋削加工

工具送り目が出やすく、条件によりRa 1.6〜6.3程度が多い

フライス加工

カッターマークが残りやすく、一般面でRa 3.2〜6.3程度が多い

研削加工

滑らかな面を得やすく、Ra 0.2〜1.6程度を狙いやすい

放電加工

放電痕により独特の粗さになり、条件で粗さが変わる

レーザー切断

切断面に条痕が出やすく、板厚や条件で粗さが変わる

研磨・ラップ

非常に滑らかな面を得やすく、精密部品に使われる



■表面粗さと面粗度の違い


現場では「表面粗さ」と「面粗度」がほぼ同じ意味で使われることがあります。


厳密には、図面や規格上では「表面粗さ」「表面性状」という表現が使われることが多く、RaやRzなどの数値で管理します。


「面粗度」は現場用語として使われることが多く、「この面の粗さはどれくらいか」「仕上げ面が粗いか細かいか」という意味で使われます。



■表面粗さと表面処理の関係



表面粗さは、塗装、メッキ、アルマイト、コーティング、接着などの表面処理にも影響します。

塗装前の面が粗すぎると外観に凹凸が出る場合があります。一方で、表面が滑らかすぎると塗膜の密着性が不足することがあります。


メッキでは、母材の粗さがそのままメッキ後の外観に影響することがあります。アルマイトでも、加工目や傷が処理後に目立つ場合があります。


そのため、

◆外観部品や機能部品では、表面処理後の仕上がりまで考慮して粗さを指定することが重要です。



■表面粗さで発生しやすい不良


表面粗さに関係する不良には、面荒れ、むしれ、びびり跡、工具目、研削焼け、傷、打痕、シール漏れ、摩耗、外観不良があります。


切削加工では、工具摩耗、切削条件不良、びびり振動、切りくず噛み込みによって面粗さが悪化します。


研削加工では、砥石条件や冷却不足により、研削焼けや面荒れが発生することがあります。


◆アルミや銅などの粘い材料では、工具への溶着によって面がむしれることがあります。



■表面粗さの測定方法


表面粗さの測定には、接触式粗さ測定機と非接触式測定機があります。


接触式粗さ測定機は、細い触針を表面に沿って走らせ、凹凸を測定します。一般的なRaやRzの測定によく使われます。


  • 非接触式測定機は、レーザーや光学方式で表面を測定します。柔らかい材料、微細形状、傷を付けたくない表面の測定に使われることがあります。


測定方向、測定長さ、カットオフ値によって結果が変わるため、重要部品では測定条件を明確にすることが大切です。



■表面粗さの注意点


表面粗さでは、どの面にどの粗さが必要かを明確にすることが重要です。


すべての面に同じ粗さを指定するのではなく、取付面、摺動面、シール面、外観面、非重要面で必要レベルを分けると、品質とコストのバランスを取りやすくなります。


また、RaとRzは単純に換算できるものではありません。


◆加工方法や表面形状によって関係が変わるため、「Ra 1.6相当だからRzはいくつ」と安易に判断しない方が安全です。



■図面指示で注意すべきこと


図面では、表面粗さ記号と数値を使って、必要な仕上げ面を明確にします。


例えば、「Ra 3.2」「Ra 1.6」「Rz 6.3」などのように指定します。特定面だけに必要な場合は、対象面が分かるように引出線で指示します。


シール面や摺動面では、粗さだけでなく、傷不可、方向性、研磨方向、うねり、表面処理後の状態も確認することが重要です。


◆外観部品では、粗さ数値だけではなく、傷、打痕、加工目、色ムラの許容範囲も合わせて取り決めるとトラブルを防ぎやすくなります。



■まとめ


表面粗さ(Ra/Rz)とは、加工面の細かな凹凸を数値で表す指標です。Raは平均的な粗さ、Rzは山と谷の高さ差を重視した粗さとして使われます。


表面粗さは、摺動性、摩耗、密着性、シール性、塗装性、メッキ性、外観品質に大きく影響します。


一方で、必要以上に厳しい粗さ指定は、研削、研磨、ラップなどの追加工程を招き、加工コストを上げます。高品質な部品設計では、機能上重要な面に対して、Ra・Rz・表面処理・測定条件を適切に指定することが重要です。

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