Stripper
ストリッパー
ストリッパーとは、プレス加工において、パンチに付着した材料を引き離したり、加工中の材料を押さえたりする金型部品です。
穴あけや抜き加工では、パンチが材料を貫通した後、材料がパンチに食い付いて一緒に持ち上がることがあります。これを防ぐために、ストリッパーが材料を押さえ、パンチだけを引き抜けるようにします。
順送金型、単発金型、精密プレス金型などで広く使用され、製品の寸法精度、バリ、反り、送り精度、金型寿命に大きく関わる重要部品です。
■ストリッパーの基本情報
項目 | 内容 |
加工分類 | プレス金型部品・材料押さえ部品 |
英語表記 | Stripper / Stripper Plate |
主な役割 | 材料の押さえ、パンチからの材料離れ、位置安定 |
使用箇所 | 抜き加工、穴あけ加工、順送金型、精密プレス |
主な材質 | SKD11、S45C、プリハードン鋼、超硬合金など |
関連部品 | パンチ、ダイ、パンチプレート、ガイド、スプリング |
注意点 | 押さえ力、クリアランス、摩耗、傷、材料送り |
■ストリッパーの仕組み
ストリッパーは、パンチの周囲に配置され、材料を上から押さえるように働きます。
プレス加工時、パンチが材料を打ち抜いた後に上昇すると、材料はパンチに密着して持ち上がろうとします。このとき、ストリッパーが材料を押さえているため、材料は下側に残り、パンチだけが抜けます。
また、加工中に材料の浮きやズレを抑える役割もあります。特に薄板や精密部品では、材料の浮きが寸法不良や送り不良につながるため、ストリッパーの押さえ機能が重要になります。
■ストリッパーの主な種類
種類 | 内容 |
固定ストリッパー | 金型に固定された板で材料を押さえる方式 |
可動ストリッパー | スプリングやウレタンで動き、材料を押さえる方式 |
スプリングストリッパー | スプリング力で材料を押さえ、パンチ抜けを補助する方式 |
プレッシャーストリッパー | 強い押さえ力で材料の浮きや反りを抑える方式 |
精密ストリッパー | パンチガイド機能を兼ね、精密抜きに使われるタイプ |
■ストリッパーの役割
ストリッパーの主な役割は、材料を押さえ、加工を安定させることです。
抜き加工では、パンチから材料を引き離すことで、材料の持ち上がりや変形を防ぎます。順送プレスでは、材料送りの安定にも関係し、送りピッチのズレや位置不良を防ぐ役割があります。
また、薄板加工では材料が浮きやすいため、ストリッパーでしっかり押さえることで、バリや反り、穴位置ズレを抑えやすくなります。
■ストリッパーのメリット
メリット | 内容 |
材料の持ち上がりを防ぐ | パンチに食い付いた材料を確実に離せる |
加工精度が安定する | 材料の浮きやズレを抑え、穴位置や外形精度を安定させる |
バリや反りを抑えやすい | 材料を押さえることで加工中の変形を低減できる |
順送加工を安定させる | 材料送りやピッチ精度の安定に貢献する |
パンチ寿命を守る | 偏荷重や材料食い付きによるパンチ折損を抑えやすい |
■ストリッパーのデメリット
ストリッパーの設計や調整が不適切だと、逆に加工不良の原因になります。
押さえ力が弱すぎると、材料が浮き上がり、穴位置ズレ、バリ、反り、パンチへの食い付きが発生しやすくなります。
反対に、押さえ力が強すぎると、材料表面に傷や圧痕が付き、材料送りが重くなる場合があります。
◆特に外観部品やメッキ材、アルミ材、銅材では、ストリッパー接触面による傷に注意が必要です。
■ストリッパーが使われる主な用途
分野 | 主な用途 | |
板金加工 | 穴あけ、切欠き、抜き加工、曲げ 前加工 | |
順送プレス | 端子、金具、ばね部品、精密プレス品 | |
自動車部品 | ブラケット、補強部品、薄板プレス部品 | |
電気・電子 | コネクタ端子、接点、シールド部品、リードフレーム | |
精密部品 | 小穴加工、微細抜き、薄板高精度加工 | |
建築金物 | 取付金具、プレート、補強部品
|
■ストリッパーとパンチ・ダイの関係
部品 | 役割 |
パンチ | 材料を押す・打ち抜く工具 |
ダイ | パンチを受け、材料を抜く・成形する工具 |
ストリッパー | 材料を押さえ、パンチから材料を離す部品 |
パンチとダイが材料を加工する主役であるのに対し、ストリッパーは加工を安定させる補助部品です。
ただし、精密プレスでは補助部品というより、品質を左右する重要部品です。
ストリッパーの押さえ力やガイド精度が不足すると、パンチやダイが高精度でも安定した加工は難しくなります。
■固定ストリッパーと可動ストリッパーの違い
項目 | 固定ストリッパー | 可動ストリッパー |
構造 | 金型に固定 | スプリングなどで上下動する |
押さえ力 | 一定になりにくい場合あり | 調整しやすい |
用途 | 簡易金型、単純抜き加工 | 順送金型、精密加工 |
