Stainless Steel Passivation
不動態化処理(パシベート)とは?
不動態化処理(パシベート)とは?|ステンレスの耐食性を最大限に引き出す表面処理
不動態化処理(パシベート)とは、ステンレス鋼表面に安定した不動態皮膜(主に酸化クロム層)を形成・再生させる表面処理です。切削・研磨・溶接後に表面へ付着した遊離鉄や汚染物を除去し、ステンレス本来の耐食性を回復・向上させる目的で行われます。
見た目を変えずに耐食性を高められるため、精密部品やクリーン用途で広く採用されています。
不動態化処理の特徴
不動態化処理の最大の特長は、外観や寸法をほぼ変えずに耐食性を向上できる点です。
メッキや塗膜を形成しない
寸法変化がほぼない
ステンレス本来の性質を活かせる
クリーンな表面状態を確保できる
精度・清浄度が求められる部品に適しています。
不動態 化処理で得られる主な効果
不動態化処理により、以下の効果が得られます。
耐食性(耐錆性)の向上
赤錆・もらい錆の防止
表面清浄度の向上
腐食起点の低減
特に切削加工後のステンレス部品では効果が顕著です。
不動態化処理の処理内容(概要)
一般的な工程は以下の通りです。
脱脂・洗浄
酸処理(硝酸系・クエン酸系など)
水洗・乾燥
処理条件や薬品種類により、皮膜品質や適用範囲が変わります。
不動態化処理の表面特性(目安)
皮膜:酸化クロム主体の不動態皮膜
皮膜厚:数nmレベル
外観:処理前 とほぼ同じ
寸法変化:ほぼなし
※表面粗さや光沢は基本的に変化しません。
不動態化処理が向いている材料
不動態化処理は、以下のステンレス鋼で使用されます。
SUS304 / SUS304L
SUS316 / SUS316L
SUS430(条件による)
二相ステンレス(条件管理が重要)
炭素鋼・アルミには適用できません。
不動態化処理と電解研磨の違い
不動態化処理(パシベート)耐食性回復・外観変化なし
電解研磨表面平滑化・光沢向上・清浄度向上
用途に応じて使い分けます。
不動態化処理時の注意点
不動態化処理では、以下の点に注意が必要です。
もらい錆対策として加工工程管理が重要
材質ごとの処理条件指定が必要
耐食性要求に応じた試験実施が望ましい
「不動態化処理済み」の明記が図面・仕様書で重要です。
不動態化処理の主な用途
精密機械部品
半導体・食品装置部品
医療機器部品
化学装置部品
クリーン環境用部品
高い耐食性と清浄度が求められる分野で使用されています。
まとめ
不動態化処理(パシベート)は、ステンレス鋼の耐食性を本来のレベルまで回復・強化できる、非常に重要な表面処理です。外観や寸法を変えずに性能を高められるため、精度・清浄度・信頼性を重視する部品において欠かせない工程といえます。
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