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Shank

シャンク

シャンクとは、プレス金型の上型をプレス機のスライドに取り付けるための軸状部品です。


主に小型・中型のプレス金型で使われ、上型側に取り付けたシャンクをプレス機のスライド穴に差し込み、金型を固定・位置決めします。


プレス加工では、上型が上下運動して材料を加工します。そのため、シャンクには金型を正しい位置に保持し、プレス機からの荷重を金型へ安定して伝える役割があります。



■シャンクの基本情報


項目

内容

加工分類

プレス金型部品・取付部品

英語表記

Shank / Press Die Shank

主な役割

上型の固定、芯出し、荷重伝達、位置決め

使用箇所

プレス金型の上型側

関連部品

スライド、ダイセット、上型板、パンチプレート

主な材質

S45C、SCM材、SS400、工具鋼など

注意点

芯ズレ、締付不足、曲がり、偏荷重、取付精度


■シャンクの仕組み


シャンクは、上型の上部に取り付けられ、プレス機のスライドにあるシャンク穴へ挿入されます。


プレス機のスライドが上下することで、シャンクを介して上型も上下運動します。これにより、パンチが材料へ力を加え、抜き加工、曲げ加工、成形加工などを行います。


シャンクは単なる固定軸ではなく、金型の中心位置を合わせるための基準部品でもあります。シャンクの取付位置がずれていると、金型全体の芯がずれ、加工不良や金型破損につながる可能性があります。



■シャンクの主な種類


種類

内容

丸シャンク

円筒形の一般的なシャンク。小型金型で多く使われる

ねじ込みシャンク

上型にねじ込んで固定するタイプ

フランジ付きシャンク

フランジ部で固定力を高めたタイプ

固定シャンク

上型に一体または強固に固定されたタイプ

交換式シャンク

金型やプレス機に合わせて交換できるタイプ


■シャンクの役割


シャンクの主な役割は、上型をプレス機に正しく取り付けることです。


金型は、プレス機のスライドとボルスタの間で正確に動作する必要があります。シャンクが上型をしっかり保持することで、プレス機の上下運動を金型へ伝え、安定した加工を行えます。


また、シャンクは金型の芯出しにも関係します。上型と下型の位置関係がずれると、パンチとダイが正しく合わず、バリ、寸法不良、パンチ折損が発生する場合があります。



■シャンクのメリット


メリット

内容

金型を簡単に取り付けられる

スライド穴へ差し込むことで上型を固定しやすい

芯出ししやすい

金型中心の位置決め基準として使える

小型金型に適する

単発金型や小型プレス金型で扱いやすい

段取り性が良い

金型交換時の位置合わせを効率化できる

荷重を伝達できる

プレス機の力を上型へ伝える役割を持つ


■シャンクのデメリット


シャンクは便利な取付部品ですが、金型サイズや加工荷重によっては注意が必要です。


大きな金型や偏荷重がかかる金型では、シャンクだけで上型を保持すると不安定になる場合があります。偏荷重が大きいと、シャンク部に曲げ荷重がかかり、取付部の緩みや破損につながることがあります。


そのため、大型金型や高荷重金型では、シャンクだけに頼らず、クランプ、ボルト、キー、位置決め部品などで確実に固定することが重要です。



■シャンクが使われる主な用途


分野

主な用途

単発プレス金型

穴あけ、抜き、曲げ、切欠き加工

小型プレス金型

小物部品、ブラケット、プレート加工

試作金型

簡易金型、試作加工、少量生産

板金加工

小型カバー、取付金具、曲げ部品

精密部品

小型端子、薄板部品、微細抜き加工

治具金型

専用プレス治具、簡易加工治具


■シャンクとスライドの関係


部品

役割

シャンク

上型をスライドに取り付ける軸状部品

スライド

プレス機の上下運動部で、上型を動かす部分

ボルスタ

下型を固定する下側の定盤

ダイセット

上型・下型を保持する金型ベース


シャンクは、スライドと上型をつなぐ取付部品です。


スライドが上下運動することで、シャンクを介して上型が動きます。


◆シャンクの取付精度が悪いと、スライドの動きが正しく金型へ伝わらず、加工精度に悪影響を与えます。



■シャンクとクランプ固定の違い


  • シャンク固定   → 上型をスライド穴に差し込んで位置決め・固定する方法です。

               :小型金型や単発金型で使いやすい方式です。


  • クランプ固定   → 金型をボルトやクランプでスライドに固定する方法です。

               :大型金型や高荷重金型では、クランプ固定が安定しやすい。


◆実際の現場では、シャンクで芯出しを行い、クランプで補助固定するケースもあります。



■シャンクで発生しやすい不良


シャンクに関係する不良には、芯ズレ、上型の傾き、金型の緩み、パンチ折損、片バリ、寸法不良、異音、取付部破損があります。


  • シャンクの径がスライド穴に合っていない  → ガタが発生し、加工中に金型がずれる可能性があり


  • シャンクの取付面の傾き・上型への固定が不十分   → 上型と下型の平行度が崩れ、パンチとダイが

                               干渉する原因になります。



■シャンクの注意点


シャンクでは、径、長さ、取付位置、固定方法、許容荷重を確認することが重要です。


プレス機側のシャンク穴径と、金型側のシャンク径が合っていなければ、正しく取り付けられません。また、シャンクが長すぎたり短すぎたりすると、スライドへの固定が不安定になる場合があります。


偏荷重が大きい加工では、シャンクに無理な力がかかるため、金型全体をクランプで確実に固定する必要があります。


◆シャンクだけで金型を吊るすような使い方は危険です。



■図面・設備検討で注意すべきこと


金型を設計・発注する際は、使用するプレス機のシャンク穴径、スライド寸法、取付方式、シャットハイトを確認します。


図面では、シャンク径、長さ、取付ねじ、材質、取付位置を明確にします。また、プレス機ごとにシャンク仕様が異なる場合があるため、複数設備で使う金型では互換性も確認が必要です。


大型金型や高荷重金型では、シャンクの有無だけでなく、クランプ位置、取付ボルト、キー溝、位置決めピンまで含めて検討することが重要です。



■まとめ


シャンクとは、プレス金型の上型をプレス機のスライドへ取り付けるための軸状部品です。金型の固定、芯出し、位置決め、荷重伝達に関わる重要な取付部品です。

小型・中型の単発金型や簡易金型で多く使われ、段取り性や芯出し性を高める役割があります。

一方で、偏荷重や大型金型ではシャンクだけに頼ると不安定になる場合があります。安全で高精度なプレス加工を行うには、シャンク径、取付精度、固定方法、プレス機仕様、クランプ併用を適切に確認することが重要です。

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