top of page

Radius Bending

R曲げ

R曲げとは、板金や金属材料を、角ばった直角ではなく、丸みを持たせた半径形状に曲げる加工です。「R」はRadiusの略で、曲げ部分の半径を意味します。


通常の曲げ加工では、曲げ部に一定の内Rが発生しますが、R曲げでは意図的に大きな曲げ半径を設定し、滑らかな曲面を作る点が特徴です。


機械カバー、装置パネル、筐体、手すり、建築金物、外装部品、デザイン部品など、外観性や安全性が求められる部品で多く使われます。



■R曲げの仕組み


R曲げでは、プレスブレーキ、ロールベンダー、専用金型などを使って材料を曲げます。


小さなRであれば通常の曲げ金型で加工できますが、大きなRを作る場合は、段階的に少しずつ曲げる方法や、ロール曲げを使う場合があります。


プレスブレーキで大きなRを作る場合は、複数回に分けて細かく曲げる「多段曲げ」によって、滑らかな曲面に近づけます。

ロールベンダーでは、材料をローラーの間に通して連続的に曲げることで、大きな半径の曲面を作ります。



■R曲げの目的


R曲げの目的は、部品の角を滑らかにし、安全性、外観性、強度を高めることです。


鋭い角があると、作業者が手を切ったり、ケーブルや周辺部品を傷つけたりする可能性があります。R曲げにすることで、角部の当たりをやわらげ、安全性を向上できます。


また、曲げ部に丸みを持たせることで、応力が集中しにくくなります。割れや疲労破壊を防ぎたい部品では、適切なRを設定することが重要です。



■R曲げの主な用途


R曲げは、機械カバー、制御盤カバー、装置筐体、操作パネル、化粧パネル、手すり、ブラケット、建築部材、インテリア金物などに使われます。


外観部品では、角を丸くすることで柔らかい印象を与え、高級感や安全性を高められます。人が触れる部品では、エッジの危険性を減らす目的でR曲げが採用されます。


また、配線やホースが接触する部品では、鋭角部による傷つきを防ぐためにR形状が有効です。



■R曲げのメリット


R曲げのメリットは、まず安全性を高められることです。角部を丸くすることで、手や部品が接触した際の傷つきリスクを低減できます。


次に、外観品質が向上します。角ばった形状よりも滑らかな印象になり、デザイン性の高い製品に適しています。

さらに、応力集中を抑えやすい点も重要です。


曲げ部に急な角があると、応力が集中して割れやすくなります。Rを大きくすることで、曲げ部への負担を分散できます。



■R曲げに適した材料


R曲げは、鉄、ステンレス、アルミ、銅、真鍮などの板材や丸棒、パイプ材に対応できます。


鉄は比較的加工しやすく、一般的な板金部品で多く使われます。

ステンレスは強度が高くスプリングバックが大きいため、狙ったRに仕上げるには補正が必要です。

アルミは軽量で曲げやすい一方、材質によっては割れやすいものがあります。


特に硬質アルミや熱処理材では、曲げ方向や曲げ半径に注意が必要です。



■R曲げと板厚の関係


R曲げでは、板厚と曲げ半径の関係が非常に重要です。板厚に対して曲げRが小さすぎると、曲げ外側に大きな引張応力がかかり、割れが発生しやすくなります。


一般的に、板厚が厚くなるほど必要な曲げRも大きくなります。無理に小さなRで曲げると、寸法不良や割れ、表面荒れの原因になります。


設計時には、材質、板厚、曲げ方向、必要な外観品質を考慮して、無理のない曲げRを設定することが重要です。



■R曲げと内R・外R


R曲げでは、内Rと外Rの違いを理解しておく必要があります。


内Rとは曲げの内側半径、外Rとは曲げの外側半径です。


図面で曲げRを指示する場合、多くは内Rを基準にすることが一般的です。ただし、設計意図によっては外Rや中心Rが重要になる場合もあります。


外観部品や相手部品との干渉がある部品では、どのRを管理すべきかを明確にすることが大切です。



■R曲げと通常曲げの違い


通常曲げは、比較的小さな内Rで角度を付ける加工です。一方、R曲げは曲げ部に大きな半径を持たせ、滑らかな曲面を作る加工です。


通常曲げは、ブラケットや取付金具のように機能性重視の部品に多く使われます。


R曲げは、外観性、安全性、応力分散が求められる部品に適しています。


つまり、シャープな角度が必要な場合は通常曲げ、丸みやデザイン性が必要な場合はR曲げが適しています。



■R曲げの注意点


R曲げでは、スプリングバック、寸法ばらつき、表面傷、割れに注意が必要です。


材料は曲げた後に少し戻ろうとする性質があり、これをスプリングバックと呼びます。特にステンレスや高張力材では戻りが大きく、狙ったRや角度に仕上げるには加工条件の補正が必要です。


また、大きなR曲げでは、曲面の滑らかさにも注意が必要です。多段曲げで加工する場合、曲げ回数が少ないと折れ線のように見えることがあります。外観部品では、曲げピッチや仕上がり面の確認が重要です。



■図面指示で注意すべきこと


図面では、曲げR、曲げ方向、基準面、角度、寸法公差を明確に指定することが重要です。


特にR曲げでは、「内Rなのか」「外Rなのか」「中心Rなのか」を明確にしないと、加工業者との認識違いが起きる場合があります。


また、外観部品では、曲げ傷の可否、表面方向、ヘアライン方向、保護フィルムの有無も確認しておく必要があります。必要に応じて断面図を入れると、形状を正確に伝えやすくなります。



■依頼時に確認すべきこと


R曲げを依頼する際は、材質、板厚、曲げR、曲げ角度、曲げ方向、数量、外観要求、後工程の有無を確認します。

曲げRが大きい場合は、プレスブレーキで対応するのか、ロール曲げが必要なのかを確認することが大切です。また、曲げ後に溶接、塗装、メッキ、組立がある場合は、R部が干渉しないか事前に確認します。


外観部品では、曲げ面の傷、押し跡、曲面の滑らかさも重要な確認項目です。



■まとめ


R曲げは、板金や金属材料を丸みのある半径形状に曲げる加工です。安全性、外観性、応力分散、剛性向上に効果があり、機械カバー、装置筐体、操作パネル、建築金物、外装部品などに広く使われます。


板厚や材質に対して無理な小Rを設定すると、割れや寸法不良が発生しやすくなります。そのため、材質、板厚、曲げR、スプリングバック、外観要求を考慮した設計が重要です。


R曲げは、機能性とデザイン性を両立できる曲げ加工です。図面ではR寸法と基準を明確にし、加工性と仕上がり品質を両立させることが大切です。

お見積り・ご相談は今すぐ!

 24時間365日受付 

bottom of page