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Plasma Arc Welding

プラズマ溶接

プラズマ溶接とは、プラズマアークを利用して金属を接合する溶接方法です。


TIG溶接と同じくタングステン電極を使用しますが、プラズマ溶接ではアークをノズルで絞り込み、高温・高密度の細い熱源として利用します。そのため、通常のTIG溶接よりもアークが集中しやすく、深い溶け込みや高精度な溶接が可能です。


ステンレス、チタン、ニッケル合金、銅合金、薄板部品、精密部品、配管、容器、医療機器、航空機部品など、高品質な溶接が求められる分野で使用されます。



■プラズマ溶接の基本情報


項目

内容

加工分類

アーク溶接・精密溶接

英語表記

Plasma Arc Welding / PAW

主な対象材料

ステンレス、チタン、ニッケル合金、銅合金、鉄、アルミなど

主な用途

薄板溶接、配管、容器、精密部品、航空機部品、医療機器部品

主な強み

高精度、深い溶け込み、低歪み、安定したアーク

注意点

設備費、条件設定、ノズル管理、シールドガス管理

■プラズマ溶接の仕組み


プラズマ溶接では、タングステン電極と母材の間にアークを発生させます。このアークをノズルで細く絞り込み、さらにプラズマガスを通すことで、高温・高速のプラズマアークを作ります。


プラズマアークは熱エネルギーが集中しているため、母材を効率よく加熱し、狭い範囲で深く溶かすことができます。


また、シールドガスによって溶融部を大気から保護し、酸化や窒化を防ぎます。材料や用途に応じて、アルゴン、ヘリウム、混合ガスなどが使われます。



■プラズマ溶接の特徴


プラズマ溶接の特徴は、アークが細く安定していることです。


TIG溶接に比べてアークが集中しているため、狭いビード幅で深い溶け込みを得やすくなります。これにより、熱影響を抑えながら強固な接合が可能です。


また、薄板から中厚板まで幅広く対応でき、条件によってはキーホール溶接と呼ばれる深溶け込み溶接も可能です。


◆精密性が高いため、自動溶接やロボット溶接との相性も良い加工方法です。



■プラズマ溶接のメリット


メリット

内容

深い溶け込みが得やすい

集中したアークにより、狭い幅で深く溶接できる

熱歪みを抑えやすい

熱影響範囲を小さくしやすく、変形を抑えやすい

アークが安定しやすい

ノズルでアークを絞るため、精密溶接に向く

高品質な溶接が可能

気密性・強度・外観が求められる部品に適する

自動化しやすい

条件管理により、連続溶接やロボット溶接に対応しやすい

■プラズマ溶接のデメリット


プラズマ溶接のデメリットは、設備や条件設定がやや複雑なことです。


TIG溶接に比べて、プラズマガス、シールドガス、ノズル、電流、アーク長、溶接速度など、管理すべき条件が多くなります。条件が適切でないと、溶け込み不足、ビード不良、アンダーカット、ブローホールなどが発生する場合があります。


また、設備費が高くなりやすく、ノズルや電極などの消耗品管理も必要です。少量の簡易溶接では、TIG溶接の方が扱いやすい場合もあります。



■プラズマ溶接の主な用途


分野

主な用途

精密板金

ステンレス薄板、筐体、カバー、容器の溶接

配管・チューブ

ステンレス配管、細径管、密閉配管の接合

航空・宇宙

チタン部品、耐熱合金部品、軽量構造部材

医療機器

ステンレス・チタン製の精密部品、容器、器具

自動車

センサー部品、排気系部品、精密接合部品

電池・電子部品

ケース、端子、封止部品、薄板部品

■プラズマ溶接とTIG溶接の違い


項目

プラズマ溶接

TIG溶接

熱源

ノズルで絞ったプラズマアーク

タングステン電極によるアーク

アーク形状

細く集中しやすい

比較的広がりやすい

溶け込み

深くなりやすい

条件により調整

精密性

高い

高いが手作業依存も大きい

設備

やや複雑・高価

比較的汎用的

用途

精密・深溶け込み・自動化向け

汎用溶接・高品質溶接向け

■プラズマ溶接とレーザー溶接の違い


プラズマ溶接  → ・プラズマアークを熱源とする溶接です。

          ・レーザー溶接ほど熱源径は小さくありませんが、

            TIG溶接よりも集中したアークが得られ、比較的安定した高品質溶接が可能です。



レーザー溶接  → ・レーザー光を熱源として金属を溶融させます。

          ・非常に細く深い溶け込みが得やすく、高速加工に向いています。

            ただし、設備費が高く、材料表面状態や位置精度の影響を受けやすい場合があります


◆設備コストや対象材料、必要精度によって使い分けます。



■プラズマ溶接で発生しやすい不良


プラズマ溶接で発生しやすい不良には、溶け込み不足、過溶け、アンダーカット、ブローホール、ピット、ビード蛇行、酸化、割れがあります。


溶接電流が不足すると、十分な溶け込みが得られません。反対に電流が高すぎると、穴あきや過大な溶け込みが発生する場合があります。


また、シールドガスが不足すると、溶接部が酸化し、外観不良や強度低下につながります。ノズルの汚れや電極摩耗も、アーク不安定の原因になります。



■プラズマ溶接の注意点


プラズマ溶接では、電流、プラズマガス流量、シールドガス流量、溶接速度、ノズル径、電極位置を適切に管理する必要があります。


特に薄板では、熱入力が大きすぎると穴あきや歪みが発生します。反対に熱入力が不足すると、溶け込み不足や接合強度不足につながります。


また、

◆プラズマ溶接は高温アークを扱うため、安全対策も重要です。遮光、換気、感電防止、ガス管理、火傷防止を徹底する必要があります。



■図面指示で注意すべきこと


図面では、溶接位置、溶接長さ、溶け込み要求、外観要求、気密・水密要求、仕上げの有無を明確に指定します。

気密性が必要な部品では、リーク試験や耐圧試験の条件を明記すると、品質基準を共有しやすくなります。


外観部品では、焼け、変色、ビード高さ、研磨仕上げの有無も重要です。溶接後に酸洗い、電解研磨、バフ研磨などを行う場合は、後工程まで含めて検討する必要があります。



■まとめ


プラズマ溶接とは、ノズルで絞った高温・高密度のプラズマアークを利用して金属を接合する溶接方法です。

TIG溶接よりもアークが集中しやすく、深い溶け込み、低歪み、高精度な溶接が期待できます。ステンレス、チタン、ニッケル合金、薄板部品、配管、容器、医療機器、航空機部品などに適しています。


一方で、設備や条件設定が複雑で、ガス管理、ノズル管理、電極管理が重要です。高品質なプラズマ溶接を行うには、材料、板厚、溶接条件、治具、検査基準を総合的に管理することが大切です。

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