top of page

Perpendicularity

直角度

直角度とは、基準となる面・線・軸に対して、対象となる面・線・軸がどれだけ直角であるかを管理する幾何公差です。


例えば、取付面Aに対して側面Bが正しく90度になっているか、基準面に対して穴軸が垂直にあいているか、シャフト軸に対して端面が直角になっているかを確認するために使われます。


直角度は、幾何公差の中では「姿勢公差」に分類され、評価には基準となるデータムが必要です。


■直角度の基本情報

項目

内容

分類

幾何公差・姿勢公差

英語表記

Perpendicularity

管理対象

面、線、軸、中心線

主な用途

取付面、穴軸、端面、ブラケット、治具、金型部品

データム

必要

関連公差

平面度、平行度、位置度、同軸度、円周振れ

注意点

データム設定、加工基準、測定方法、締結時の変形


■直角度の特徴


直角度の特徴は、対象となる形体が「基準に対して90度の関係にあるか」を評価する点です。


面そのものが平らであっても、基準面に対して傾いていれば直角度は悪くなります。また、穴径が寸法公差内であっても、穴軸が斜めにあいていれば、ボルトやピンが正しく入らない場合があります。


直角度は、単なる角度寸法ではなく、部品の組立性や機械的な姿勢精度を保証するための重要な公差です。



■直角度が必要な理由


直角度が必要な理由は、部品同士の組付け精度や機械動作に大きく影響するためです。


例えば、ブラケットの取付面に対して立ち上がり面が直角でないと、相手部品が傾いて取り付いてしまいます。穴軸が基準面に対して直角でないと、ボルトが斜めに入り、締結不良やかじりの原因になります。


また、シャフトの端面が軸に対して直角でない場合、相手部品との当たりが片寄り、振れ、摩耗、異音、組立不良につながることがあります。



■直角度のメリット

メリット

内容

組立精度を安定させる

部品の傾きや取付ズレを抑えやすい

穴加工の品質を管理できる

ボルト穴・ピン穴の斜め加工を防ぎやすい

片当たりを防ぎやすい

端面や取付面の接触状態を安定させる

加工基準を明確にできる

どの面・軸を基準にするかを図面で共有できる

品質トラブルを減らせる

締結不良、組立不良、摺動不良を防ぎやすい


■直角度のデメリット・注意点


直角度を厳しく指定しすぎると、加工コストや検査コストが上がります。


特に大型部品、溶接構造物、薄板ブラケット、長尺部品では、加工歪みや溶接歪みによって直角度を高精度に保つことが難しくなります。


また、直角度はデータムを基準に評価するため、データム面そのものの品質も重要です。基準面に反り、バリ、打痕、歪みがあると、正しい直角度評価ができません。



■直角度の主な用途

分野

主な用途

機械加工

取付面、端面、フランジ面、基準面

穴加工

ボルト穴、ピン穴、タップ穴、ブッシュ穴

板金加工

曲げブラケット、L字金具、取付ステー

金型部品

パンチ、ダイ、ガイドピン、プレート部品

治具

位置決め面、ピン穴、クランプ面、検査基準面

回転部品

シャフト端面、フランジ、カラー、ローラー

装置部品

架台、フレーム、レール取付面、支柱



■直角度と平面度の違い

項目

直角度

平面度

分類

姿勢公差

形状公差

管理内容

基準に対する90度の関係

面そのものの平らさ

データム

必要

原則不要

主な対象

面、線、軸

A面に対するB面の直角

B面そのものの反り管理

平面度は「面が平らか」を評価します。直角度は「基準に対して直角か」を評価します。

そのため、対象面が平らでも、基準面に対して傾いていれば直角度は不良になります。


■直角度と平行度の違い


直角度は、基準に対して90度の関係を管理する公差です。

一方、平行度は、基準に対して0度、つまり平行関係を管理する公差です。


項目

直角度

平行度

管理する姿勢

90度

平行

分類

姿勢公差

姿勢公差

データム

必要

必要

主な用途

穴軸、端面、立ち上がり面

取付面、ガイド面、軸同士

不良例

傾き、斜め穴、片当たり

面の傾き、軸のこじれ

どちらもデータムが必要な姿勢公差ですが、管理する角度関係が異なります。



■直角度と位置度の違い


直角度は、対象の姿勢を管理する公差です。穴や軸が基準に対して直角であるかを評価できますが、穴の位置そのものを直接管理するものではありません。


一方、位置度は、穴や軸などが基準に対して正しい位置にあるかを管理します。


例えば、穴軸が基準面に対して直角でも、穴位置がずれていれば組付けできない場合があります。この場合は、直角度だけでなく位置度の指定も検討する必要があります。


■直角度で発生しやすい不良


直角度に関係する不良には、斜め穴、面の傾き、曲げ角度不良、端面の片当たり、組立時の傾き、締結不良があります。


穴加工では、ドリルの逃げ、ワーク固定不良、機械主軸の傾き、下穴不良などにより、穴軸が斜めになることがあります。


板金曲げでは、曲げ角度のばらつきやスプリングバックにより、基準面に対する直角度が悪化することがあります。溶接構造物では、熱歪みによって立ち上がり面が倒れる場合があります。



■直角度の測定方法


直角度の測定には、定盤、スコヤ、ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、三次元測定機、直角定規、専用治具などが使われます。


面の直角度を測る場合は、基準面を定盤や治具に当て、対象面の傾きをスコヤやダイヤルゲージで確認します。


穴軸の直角度を測る場合は、三次元測定機で穴軸を測定したり、ピンゲージを穴に入れて基準面に対する傾きを確認したりします。


高精度部品では、測定方法とデータムの再現方法を事前に決めておくことが重要です。



■直角度の注意点


直角度では、データム面の選定が非常に重要です。


実際に相手部品と接触する面、組立時に基準となる面、加工時に安定して保持できる面をデータムに設定するのが基本です。


また、測定前には、データム面のバリ、切りくず、打痕、汚れを除去する必要があります。基準面が正しく接触していない状態で測定すると、直角度の評価が不正確になります。


薄板や溶接品では、自由状態と締結状態で直角度が変わる場合があります。どの状態で評価するかを明確にすることも重要です。



■図面指示で注意すべきこと


図面で直角度を指定する場合は、対象となる面・線・軸と、基準となるデータムを明確にします。


例えば、「B面の直角度0.05|A」と指定する場合、A面を基準としてB面がどれだけ直角かを評価します。穴軸に指定する場合は、基準面に対して穴軸が直角であることを示します。


また、直角度だけでは位置ズレを管理できない場合があります。ボルト穴、ピン穴、軸受穴など、組立位置が重要な場合は、位置度や同軸度の指定も合わせて検討することが重要です。



■まとめ


直角度とは、基準となる面・線・軸に対して、対象となる面・線・軸がどれだけ直角であるかを管理する幾何公差です。取付面、穴軸、端面、ブラケット、治具、金型部品などで使われます。


直角度が悪いと、組立時の傾き、斜め穴、締結不良、片当たり、摺動不良、回転振れにつながる場合があります。


高品質な部品設計では、データム設定、対象面、測定方法、加工基準を明確にし、実際の組立状態や使用条件に合った直角度管理を行うことが重要です。

お見積り・ご相談は今すぐ!

 24時間365日受付 

bottom of page