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Multi-Tasking Machine

複合旋盤

複合旋盤とは、旋削加工(Turning)とフライス加工(Milling)、穴あけ加工、ねじ加工などを1台で行える工作機械です。英語では「Multi-Tasking Machine」や「Mill-Turn Machine」と呼ばれ、複数の加工工程を集約できる高機能なNC工作機械として、航空機、自動車、医療機器、半導体など幅広い業界で活用されています。


一般的なNC旋盤は、ワークを回転させて外径加工や内径加工を行うことを主な目的としています。一方、複合旋盤は回転工具(ミーリング工具)やY軸、B軸などを搭載し、旋削だけでなくフライス加工や穴あけ加工まで1台で連続して実行できることが大きな特徴です。


さらに、多くの機種ではATC(自動工具交換装置)やサブスピンドル(第2主軸)を備えており、表裏加工や複雑な形状の加工も一度の段取りで完了できます。


主な種類には次のようなものがあります。

・ミルターン複合旋盤

・Y軸付き複合旋盤

・B軸付き複合旋盤

・サブスピンドル付き複合旋盤

・5軸複合加工機

・高精度複合旋盤

・大型複合旋盤


例えば、

・自動車部品

・航空機部品

・医療機器部品

・油圧・空圧部品

・ロボット部品

・精密機械部品

など、高精度かつ複雑な形状の部品加工で広く利用されています。


◆つまり複合旋盤とは、

  旋削加工とミーリング加工など複数の加工を1台で実現する高機能な工作機械です。



複合旋盤の役割


複合旋盤の主な役割は、複数の加工工程を1台へ集約し、高精度かつ効率的に部品を製造することです。


主な役割は次のとおりです。


・外径加工・内径加工・端面加工・穴あけ加工

・フライス加工・ねじ加工・表裏加工・複雑形状加工


◆つまり複合旋盤は、工程集約によって高効率な加工を実現する工作機械です。



なぜ重要なのか


旋盤とマシニングセンタを別々に使用する場合、


・工程ごとに段取り替えが必要

・加工時間が長くなる

・位置決め誤差が発生する

・搬送工程が増える

といった課題があります。


一方、複合旋盤を導入することで、


・1台で複数工程を加工できる

・段取り回数を削減できる

・加工精度を向上できる

・工程間搬送を減らせる

・リードタイムを短縮できる

など、多くのメリットがあります。


◆そのため複合旋盤は、高精度部品や多工程加工を効率化する重要な工作機械となっています。



基本的な考え方


複旋盤加工は、一般的に次の流れで行われます。


1. 加工プログラムを作成する

CAD/CAMを使用して加工データを作成します。


2. ワークをチャックへ固定する

主軸へワークを取り付けます。


3. 工具を準備する

旋削工具やミーリング工具をATCへセットします。


4. 加工を実行する

旋削・穴あけ・ミーリングなどを連続して行います。


◆つまり複合旋盤では、加工順序や工具選定が加工品質と生産性を左右する重要なポイントです。



NC旋盤との違い


混同されやすい機械としてNC旋盤があります。


△複合旋盤

旋削加工に加え、フライス加工や穴あけ加工も行えます。


△NC旋盤

主に旋削加工を中心に行う工作機械です。


つまり、

・複合旋盤=旋削+ミーリング加工

・NC旋盤=旋削加工が中心

という違いがあります。



マシニングセンタとの違い


もう一つ混同されやすいのがマシニングセンタです。


△複合旋盤

ワークを回転させながら旋削加工を主体に行います。


△マシニングセンタ

工具を回転させて固定したワークを加工します。


つまり、

・複合旋盤=回転するワークを加工

・マシニングセンタ=回転する工具で加工

という違いがあります。



ロボットとの組み合わせ


近年では、複合旋盤とロボットを組み合わせた自動化が進んでいます。


1. ワーク投入

ロボットが材料を自動供給します。


2. 加工品の取り出し

完成品を自動搬出します。


3. パレット搬送

複数ワークを連続加工します。


4. 洗浄・検査

加工後の洗浄や寸法測定を自動化します。


5. 夜間無人運転

ロボットと連携し長時間運転を実現します。


◆つまり複合旋盤は、ロボットとの組み合わせによって生産性を大幅に向上できます。



主なメリット


複合旋盤を導入することで、一般的に次のようなメリットがあります。


1. 工程集約ができる

1台で複数工程を加工できます。


2. 加工精度を向上できる

段取り替えによる誤差を減らせます。


3. リードタイムを短縮できる

工程間搬送が不要になります。


4. 生産性を向上できる

設備稼働率が向上します。


5. 自動化しやすい

ロボットや自動搬送設備と連携できます。



注意点


一方で、複合旋盤には注意点もあります。


1. 加工プログラムが複雑になる

最も重要なのは、旋削加工とミーリング加工を組み合わせるため、NCプログラムやCAMデータの作成が複雑になりやすいことです。工程設計を十分に検討する必要があります。


2. 工具管理が重要

多数の工具を適切に管理します。


3. 干渉チェックを行う

工具や主軸同士の干渉を事前に確認します。


4. ワーク固定を確認する

チャック把持力を適切に設定します。


5. 定期保守を実施する

主軸・ATC・送り機構などを点検します。



実務で重要なポイント


複合旋盤を効果的に活用するには、次の点が重要です。


1. 工程集約を最適化する

旋削・ミーリング・穴あけの順序を見直し、段取り時間と加工時間を最小限に抑えることです。


2. CAMを活用する

複雑な加工経路を効率よく作成します。


3. 工具寿命を管理する

交換タイミングを最適化します。


4. ロボットと連携する

搬送を自動化し稼働率を高めます。


5. 加工精度を測定する

完成品を三次元測定機などで確認します。


6. 保守履歴を管理する

設備点検や修理履歴を記録します。



よくある課題


複合旋盤では、次のような課題が発生しやすくなります。


・プログラム作成が複雑

・工具本数が多い

・干渉チェックが必要

・設備価格が高い

・加工条件の最適化が難しい

・熟練者が不足する

・保守コストがかかる

・定期点検が必要


◆このため複合旋盤は、

  工程設計やCAM活用、工具管理、ロボットとの連携を含めた総合的な運用が重要です。



自動化との相性


複合旋盤は、自動化設備との相性が非常に良く、産業用ロボット、協働ロボット、バーフィーダー、パレットチェンジャー、AGV、画像検査装置などと組み合わせることで、高効率な自動加工ラインを構築できます。


主なメリットは次のとおりです。

・工程集約による省人化

・夜間無人運転を実現できる

・段取り時間を短縮できる

・加工品質を安定化できる

・生産性を向上できる

・スマートファクトリー化を推進できる



まとめ


複合旋盤とは、旋削加工とフライス加工、穴あけ加工、ねじ加工などを1台で行える高機能な工作機械です。工程を集約できるため、段取り回数や搬送工程を削減し、高精度かつ高効率な部品加工を実現します。


実務では、加工プログラムの最適化や工具管理、干渉チェックが重要なポイントです。また、ロボットや自動搬送設備と連携することで、夜間無人運転や省人化を実現し、生産性の高い自動加工ラインを構築できます。

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