Kovar (ASTM F15 / UNS K94610): The Controlled Expansion Alloy
コバールとは?
コバールとは?|ガラス・セラミックスと熱膨張が合う封着用合金
コバール(Kovar)は、鉄(Fe)・ニッケル(Ni)・コバルト(Co)を主成分とする低膨張合金です。最大の特長は、ガラスやセラミックスと熱膨張係数が近いことで、気密封止(封着)用途に特化した材料として、電子・半導体分野で広く使用されています。
「ガラス封着といえばコバール」と言われるほど、実績のある定番材料です。
コバールの特徴
コバールの最大の特徴は、ガラス・セラミックスとの高い封着適性です。
熱膨張係数がガラスと近い
加熱・冷却時に割れや剥離が起きにくい
高い気密性を確保できる
寸法安定性に優れる
電子部品の信頼性を左右する「封止品質」を安定して確保できます。
コバールの性質
コバールは、インバー系合金に近い低熱膨張特性を持ちます。常温〜中温域で膨張が抑えられる一方、高温域では一般鋼に近づきます。
以下のような性質があります。
軟磁性を持つ
機械的強度は中程度
耐食性は高くない(表面処理が前提)
メッキ適性が良い
特にニッケルメッキとの相性が良く、封着前処理として多用されます。
コバールとインバーの違い
インバー極低熱膨張、精密構造用途向け
コバールガラス・セラミックス封着用途向け
寸法安定性重視ならインバー、異種材料との封着重視ならコバールが選定されます。
コバールの加工時の注意点
コバールは切削・プレス加工が可能ですが、以下の点に注意が必要です。
加工硬化しやすい
加工応力が封着品質に影響する
最終焼鈍が重要
ガラス封着用途 では、加工 → 表面処理 → 熱処理まで含めた工程管理が不可欠です。
コバールの主な用途
電子部品のガラス封着部
半導体パッケージ
真空管・センサー部品
気密端子・フィードスルー
光学デバイス部品
気密性・信頼性が求められる分野で使用されています。
まとめ
コバールは、ガラス・セラミックスと高精度に封着できる低膨張合金です。耐食性や軽量性よりも、気密性・信頼性・熱膨張マッチングを最優先する用途において、他材料では代替しにくい価値を持っています。
