Induction Hardening Process
高周波焼き入れとは?
高周波焼き入れとは?|必要な部分だけを硬化させる表面硬化熱処理
高周波焼き入れとは、高周波電流による誘導加熱で金属表面のみを急速加熱・急冷し、表層を硬化させる熱処理です。部品全体を硬化させる焼き入れとは異なり、必要な部分だけを選択的に硬くできるのが最大の特長です。
シャフトや歯車など、表面は硬く、内部は粘りを残したい部品で広く使用されています。
高周波焼き入れの特徴
高周波焼き入れの最大の特長は、表面硬度と内部靭性を両立できる点です。
表面のみ高硬度化できる
内部は靭性を保持
歪みが比較的少ない
部分焼き入れが可能
耐摩耗性と耐衝撃性のバランスに優れています。
高周波焼き入れで得られる主な効果
高周波焼き入れ処理により、以下の効果が得られます。
表面耐摩耗性の大幅向上
疲労強度の向上
焼付き・かじり防止
部品寿命の延長
摺動部・接触部で特に効果を発揮します。
高周波焼き入れの基本原理
高周波電流をコイルに流すことで、金属表面に誘導電流が集中し、短時間で表層のみが加熱されます。その後、水やポリマー液で急冷することで、表面にマルテンサイト組織が形成されます。
加熱深さは、周波数・出力・加熱時間で制御されます。
高周波焼き入れの硬化層特性(目安)
表面硬度:HRC50〜60程度
硬化深さ:0.5〜5mm程度
処理時間:数秒〜十数秒
※材質・条件により変動します。
高周波焼き入れが向いて いる材料
高周波焼き入れは、炭素量を含む鋼材で効果を発揮します。
S35C、S45C
SCM415、SCM420
機械構造用炭素鋼・合金鋼
アルミやオーステナイト系ステンレスには適用できません。
高周波焼き入れと全体焼き入れの違い
高周波焼き入れ表面硬化・部分処理・歪み小
全体焼き入れ全体硬化・高強度だが脆くなりやすい
用途に応じた使い分けが重要です。
高周波焼き入れ処理時の注意点
高周波焼き入れでは、以下の点に注意が必要です。
焼き入れ範囲・深さの指定
エッジ部の硬化過多
処理後の焼き戻し必要性
図面での焼き入れ 範囲指定が非常に重要です。
高周波焼き入れの主な用途
シャフト・軸
歯車・スプライン
カム・ピン
摺動部品
自動車・産業機械部品
部分的に摩耗が集中する部品で多用されています。
まとめ
高周波焼き入れは、必要な部分だけを高硬度化し、内部の粘りを残せる非常に効率的な熱処理です。耐摩耗性・疲労強度・歪み低減を同時に実現できるため、実用部品で非常に採用率の高い表面硬化処理といえます。
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