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Gas Spring

ガススプリング

ガススプリングとは、内部に封入された窒素ガスの圧力を利用して反力を発生させるばね部品です。


プレス金型では、材料押さえ、ストリッパー、戻し機構、クッション、成形時の加圧補助などに使われます。金属製のコイルスプリングやウレタンバネに比べて、コンパクトなサイズで大きな反力を得やすい点が特徴です。


特に、大型金型、深絞り加工、曲げ加工、順送金型、自動車部品用金型など、安定した押さえ力が必要な場面で多く採用されます。



■ガススプリングの基本情報


項目

内容

分類

金型部品・ばね部品・加圧部品

英語表記

Gas Spring / Nitrogen Gas Spring

主な動力源

窒素ガス圧

主な役割

材料押さえ、戻し、反力発生、クッション、成形補助

使用箇所

プレス金型、絞り金型、曲げ金型、順送金型

主な特徴

高反力、省スペース、反力安定、長寿命

注意点

ガス圧管理、シール劣化、過ストローク、取付方向、安全管理


■ガススプリングの仕組み


ガススプリングは、シリンダ内部に高圧の窒素ガスを封入し、ロッドを押し込むことでガスを圧縮します。


ロッドが押し込まれると内部圧力が高まり、その反発力によってロッドを押し戻します。この反力を利用して、ストリッパーや材料押さえ部品を押し上げたり、金型内の可動部を戻したりします。


コイルスプリングのように金属線材の弾性を使うのではなく、ガス圧を利用するため、短い取付高さでも大きな力を発生させやすい構造です。



■ガススプリングの主な用途


用途

内容

ストリッパー押さえ

材料を安定して押さえ、パンチから材料を離す

ブランクホルダー

絞り加工時に材料のしわを抑える

曲げ加工の押さえ

曲げ前後の材料浮きを抑える

戻し機構

金型内の可動部品を元の位置へ戻す

クッション機構

加工時の衝撃を緩和する

大型金型

高荷重が必要な金型で安定した反力を得る


■ガススプリングのメリット


メリット

内容

大きな反力を得やすい

小型でも高い押さえ力を発生できる

省スペース設計が可能

コイルスプリングより短い取付高さで使いやすい

反力が安定しやすい

金型内の押さえ力を管理しやすい

大型金型に向く

高荷重が必要な絞り・成形金型で有効

レイアウト自由度が高い

金型スペースに合わせて配置しやすい


■ガススプリングのデメリット


ガススプリングのデメリットは、ガス圧やシール部品の管理が必要なことです。


内部には高圧ガスが封入されているため、シールが劣化するとガス漏れが発生し、反力が低下します。反力が不足すると、材料押さえ不良、しわ、浮き、寸法不良につながる可能性があります。


また、過ストロークや偏荷重をかけると、ロッド曲がり、シール破損、破裂などの危険があります。


◆安全に使用するには、メーカーの使用条件を守ることが重要です。



■ガススプリングとコイルスプリングの違い


項目

ガススプリング

コイルスプリング

反力源

窒素ガス圧

金属ばねの弾性

反力

大きい力を得やすい

サイズに応じて変化

省スペース性

高い

取付長さが必要な場合あり

反力管理

ガス圧で管理しやすい

ばね定数・圧縮量で管理

メンテナンス

ガス圧・シール管理が必要

折損・へたり管理が必要

コスト

高め

比較的安価


■ガススプリングとウレタンバネの違い


  • ウレタンバネは、

    ポリウレタン樹脂の弾性を利用して反力を発生  → 構造がシンプルで衝撃吸収性に優れますが、

                             へたりや温度・油による劣化に注意が必要です。

  • ガススプリングは、

    窒素ガス圧によって反力を発生  → より大きく安定した力を得やすい


◆簡易的な押さえやクッション用途にはウレタンバネ、高荷重・高精度な押さえ力が必要な場合はガススプリングが適しています。



■ガススプリングで発生しやすい不良


ガススプリングで発生しやすい不良には、ガス漏れ、反力低下、ロッド曲がり、シール破損、戻り不良、異音、油漏れがあります。


ガス漏れが発生すると、設定した押さえ力が得られず、加工品質が不安定になります。ロッドに傷や異物が付着すると、シールを傷めてガス漏れの原因になります。


また、斜め荷重や偏荷重が加わると、ロッドやシリンダに無理な力がかかり、破損につながる場合があります。



■ガススプリングの注意点


ガススプリングでは、最大ストローク、使用荷重、取付姿勢、取付精度、ガス圧、使用温度を確認することが重要です。


特に過ストロークは重大な故障につながります。設計上、必ずストロークに余裕を持たせ、メカストッパーを設けることが望まれます。


また、ロッド部に傷、打痕、異物が付くとシール劣化の原因になります。


◆金型内では抜きカスや粉じんが付着しないよう、配置や保護構造を考えることが重要です。



■図面・金型設計で注意すべきこと


金型設計では、必要反力、ストローク量、取付スペース、配置バランス、交換性を明確にします。


複数のガススプリングを使う場合は、左右の反力バランスが重要です。配置が偏ると、ストリッパーやブランクホルダーが傾き、材料押さえ不良や金型摩耗につながります。


また、メンテナンス時に交換しやすい位置に配置し、ガス圧確認や安全な取り外しができる構造にすることも大切です。


■まとめ


ガススプリングとは、窒素ガスの圧力を利用して大きな反力を発生させる金型用ばね部品です。プレス金型のストリッパー、ブランクホルダー、材料押さえ、戻し機構、クッション用途に使われます。


省スペースで高い反力を得やすく、大型金型や深絞り加工、順送金型などで安定した押さえ力を確保できます。

一方で、ガス漏れ、過ストローク、偏荷重、シール劣化には注意が必要です。


高品質なプレス加工を行うには、必要反力、ストローク、配置バランス、ガス圧管理、安全対策を適切に設計することが重要です。


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