Ferritic Stainless Steel
マルテンサイト系とは?
マルテンサイト系ステンレスとは?|熱処理で高硬度が得られるステンレス鋼
マルテンサイト系ステンレス鋼は、焼入れなどの熱処理によって高い硬度と強度を得られるステンレス鋼です。クロム(Cr)を主成分とし、炭素(C)を含むことで、焼入れによりマルテンサイト組織を形成します。
代表的な材質として、SUS403、SUS420J2、SUS440Cなどがあります。
マルテンサイト系ステンレスの特徴
マルテンサイト系ステンレスの最大の特徴は、耐摩耗性と高硬度です。熱処理後は刃物鋼に近い性質を持ち、摩耗や摺動が問題となる部品に適しています。
一方で、耐食性はオーステナイト系ステンレス鋼より劣り、靭性も低めであるため、用途の選定が重要です。
マルテンサイト組織の性質
焼入れによって形成されるマルテンサイト組織は、非常に硬く、転位の動きが抑制されます。その反面、衝撃に弱く、急激な荷重変化がある用途では割れのリスクがあります。
磁性を持つ材料であり、熱処理条件によって性質が大きく変化します。
他系統ステンレス鋼との違い
オーステナイト系ステンレス鋼は耐食性・加工性・溶接性に優れていますが、熱処理による硬化はできません。フェライト系ステンレス鋼はコストに優れますが、高硬度は得られません。
マルテンサイト系ステンレスは、硬度や耐摩耗性を最優先する用途に適しています。
マルテンサイト系ステンレスの加工時の注意点
焼入れ前は比較的切削加工しやすいですが、焼入れ後は非常に硬くなり、切削加工が困難になります。そのため、切削加工 → 熱処理 → 研削加工という工程が一般的です。
溶接性は良好ではなく、溶接割れのリスクがあるため、溶接構造部品への使用は慎重な検討が必要です。
マルテンサイト系ステンレスの主な用途
刃物・カッター
ベアリング部品
シャフト・ピン
金型部品
耐摩耗部品
高硬度・耐摩耗性が求められる分野で使用されています。
まとめ
マルテンサイト系ステンレス鋼は、熱処理によって高い硬度と耐摩耗性を得られる材料です。耐食性や靭性には制約がありますが、用途を明確にすることで非常に有効な材料選択となります。
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