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Dissimilar Metal Corrosion

電食(異種金属接触腐食)

電食とは、異なる種類の金属が接触し、水分や電解質が存在する環境で、一方の金属が優先的に腐食する現象です。日本語では「異種金属接触腐食」ともいいます。


たとえば、鉄とステンレス、アルミとステンレス、銅と鉄など、性質の異なる金属を直接接触させた状態で雨水、結露、海水、薬液などが入り込むと、金属間に電位差が生じます。その結果、電気化学反応が起こり、腐食しやすい側の金属が先に溶け出します。これが電食です。


電食は、屋外設備、配管、建築金物、機械装置、板金部品、アルミフレーム、ステンレスボルト、銅配管、自動車部品、船舶部品などで発生します。特に、海沿い、屋外、高湿度、結露、薬品雰囲気のある環境では注意が必要です。



■電食が発生する条件

条件

内容

異なる金属が接触している

電位差のある金属同士が直接触れる

アルミ板にステンレスボルト

水分が存在する

電気を通す媒体がある

雨水、結露、湿気

電解質がある

腐食反応が進みやすくなる

塩分、薬液、洗浄水

電気的につながっている

金属間で電流が流れる

ボルト締結、リベット固定

腐食しやすい金属がある

電位が低い金属が犠牲になる

アルミ、亜鉛、鉄など

電食は、異種金属が接触しているだけではすぐに発生しない場合もあります。水分や塩分など、電気を通す環境が加わることで腐食が進行しやすくなります。



■電食が起きやすい金属の組み合わせ

組み合わせ

腐食しやすい側

注意点

アルミ × ステンレス

アルミ

屋外や水濡れ環境で注意

鉄 × ステンレス

ステンレスボルト使用時に注意

亜鉛メッキ × ステンレス

亜鉛

メッキ層が先に腐食しやすい

銅 × 鉄

配管・接続金具で注意

銅 × アルミ

アルミ

電気部品・熱交換器で注意

真鍮 × アルミ

アルミ

装飾部品・締結部で注意

一般的に、電位差が大きい金属同士ほど電食リスクは高くなります。特にアルミは、ステンレスや銅と接触すると腐食側になりやすいため、絶縁や防水対策が重要です。



■電食による主な不具合

不具合

内容

影響

局部腐食

接触部周辺だけが集中的に腐食する

穴あき、肉厚低下

白錆・赤錆の発生

金属表面に腐食生成物が出る

外観不良、品質低下

締結部の固着

ボルトやナット周辺が腐食する

分解不能、整備性低下

強度低下

腐食により断面が減少する

破損、脱落リスク

漏れ

配管やタンクに穴が開く

液漏れ、気密不良

塗装剥離

腐食が塗膜下に進行する

防錆機能低下

電食は、腐食が接触部に集中しやすい点が特徴です。見た目には小さな錆でも、内部で深く進行している場合があります。



■電食を防ぐ対策

対策

内容

効果

同種金属を使う

できるだけ同じ材質で構成する

電位差を小さくできる

絶縁する

樹脂ワッシャー、絶縁ブッシュを使う

金属間の電気的接触を防ぐ

防水する

シーリング、パッキン、コーキングを行う

水分・塩分の侵入を防ぐ

表面処理を行う

塗装、メッキ、アルマイトなどで保護する

腐食因子との接触を防ぐ

犠牲防食を使う

亜鉛などを犠牲材として使う

母材の腐食を抑える

排水性を高める

水が溜まらない構造にする

腐食環境を作りにくくする

接触面積を見直す

腐食側金属の面積を小さくしすぎない

局部腐食の進行を抑える

電食対策では、「異種金属を接触させない」「水分を入れない」「電気的につながない」の3点が基本です。特に屋外部品では、絶縁と防水をセットで考えることが重要です。



■電食と通常の錆の違い

項目

電食

通常の錆

原因

異種金属接触による電位差

水分・酸素による酸化

発生場所

異種金属の接触部周辺

金属表面全体に発生しやすい

進行

局部的に深く進むことがある

表面から広く進行する

代表例

アルミとステンレス接触部の腐食

鉄板全体の赤錆

対策

絶縁、防水、材質選定

防錆処理、塗装、保管管理

通常の錆は、水分や酸素による酸化が主な原因です。一方、電食は金属同士の電位差が関係するため、材質の組み合わせが重要になります。



■電食が発生しやすい部位

部位

発生しやすい理由

ボルト締結部

異種金属が強く接触し、水分も溜まりやすい

リベット部

母材とリベット材が異なる場合がある

配管接続部

銅・鉄・ステンレスなどが混在しやすい

アルミフレーム接合部

ステンレスボルトとの組み合わせが多い

屋外金具

雨水・結露・塩分の影響を受ける

塗膜傷部

皮膜が破れて金属接触や水分侵入が起こる

水抜き不良部

水分が滞留し、腐食が進みやすい

特にアルミ部品にステンレスボルトを使用する場合は、電食が問題になりやすいため、樹脂ワッシャーやシール材、防食グリスの使用が有効です。



■電食対策に使われる材料・処理

方法

特徴

主な用途

樹脂ワッシャー

金属同士の直接接触を防ぐ

ボルト締結部

絶縁ブッシュ

穴内面とボルトを絶縁する

アルミ部品、電気設備

シーリング材

水分や塩分の侵入を防ぐ

屋外部品、接合部

アルマイト

アルミ表面を酸化皮膜で保護する

アルミ部品

塗装

金属表面を塗膜で覆う

架台、カバー、屋外部品

亜鉛メッキ

犠牲防食作用で鉄を守る

鉄部品、締結部品

防食グリス

接触部に水分が入るのを抑える

ボルト、配管接続部

ただし、表面処理が傷付くと、その部分から電食が進むことがあります。処理後の組立傷や締結時の塗膜破れにも注意が必要です。



■電食設計で注意すべきポイント

確認項目

内容

材質の組み合わせ

電位差が大きい組み合わせを避ける

使用環境

屋内、屋外、海沿い、薬品、結露の有無

接触構造

異種金属が直接触れていないか

水の滞留

水抜き穴や排水経路があるか

絶縁部品

樹脂ワッシャーやブッシュを入れられるか

表面処理

塗装、メッキ、アルマイトの仕様

メンテナンス性

腐食確認や部品交換ができる構造か

設計段階で電食を考慮していないと、製品使用後に締結部や接合部から腐食が進行することがあります。特に屋外装置やアルミ構造物では、異種金属接触の確認が重要です。



■製造現場での活用例

分野

管理ポイント

板金加工

ステンレス部品と鉄部品の接触、塗装傷の管理

アルミフレーム

ステンレスボルト使用時の絶縁・防水

配管設備

銅管、鉄管、ステンレス管の接続部管理

建築金物

雨水がかかる異種金属接合部の防食

自動車部品

アルミ部品と鉄・ステンレス部品の接触対策

屋外設備

塩害、結露、雨水滞留への対策

電気設備

接地部・端子部の腐食と導通不良対策

電食は、組立後すぐには問題が出ず、使用環境にさらされてから進行することが多い不良です。屋外使用品では、設計段階で腐食環境を想定することが重要です。



■SEO向けまとめ


電食とは、異なる種類の金属が接触し、水分や塩分などの電解質が存在することで、一方の金属が優先的に腐食する現象です。異種金属接触腐食とも呼ばれ、アルミとステンレス、鉄とステンレス、銅と鉄などの組み合わせで発生しやすくなります。


電食が進行すると、局部腐食、塗装剥離、締結部の固着、強度低下、漏れ、外観不良につながります。


対策としては、同種金属の使用、樹脂ワッシャーや絶縁ブッシュによる絶縁、防水シーリング、表面処理、排水構造の確保が有効です。


特に屋外部品やアルミ構造物では、材質の組み合わせと水分対策を設計段階から考慮することが重要です。


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