Cryogenic Treatment
サブゼロ処理 とは?
焼き入れ後の組織を安定化させる低温処理
サブゼロ処理とは、焼き入れ後の鋼材を0℃以下(−70〜−196℃程度)の低温環境に保持し、金属組織を安定化させる熱処理(低温処理)です。
焼き入れ後に残る残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させることで、硬度・寸法安定性・耐摩耗性を向上させます。
高精度部品や工具鋼で、品質を一段引き上げる補助的な処理として用いられます。
■サブゼロ処理の特徴
サブゼロ処理の最大の特長は、焼き入れ後の不安定な組織を整理できる点です。
残留オーステナイトを低減
硬度・耐摩耗性の向上
寸法変化の抑制
経年変化の低減
焼き入れ品質をより確実なものにします。
■サブゼロ処理で得られる主な効果
サブゼロ処理により、以下の効果が得られます。
硬度の安定化・微増
摩耗寿命の延長
寸法安定性の向上
長期使用時の信頼性向上
特に精密部品・工具で効果を発揮します。
■サブゼロ処理の基本工程
一般的なサブゼロ処理工程は以下の通りです。
焼き入 れ
サブゼロ処理(低温保持)
焼き戻し(1回または複数回)
※サブゼロ処理は焼き戻し前に実施されるのが一般的です。
■サブゼロ処理の温度帯(目安)
冷凍サブゼロ:−70〜−100℃
極低温サブゼロ:−150〜−196℃( 液体窒素)
要求精度・材質により使い分けます。
■サブゼロ処理が向いている材料
サブゼロ処理は、残留オーステナイトが発生しやすい鋼材で特に有効です。
工具鋼(SKD11、SKH51 など)
高炭素鋼
高合金鋼
炭素鋼や合金鋼でも、精度要求が高い場合に採用されます。
■サブゼロ処理と焼き戻しの関係
サブゼロ処理組織安定化・硬度向上
焼き戻し靭性付与・応力除去
両者は役割が異なり、併用が前提です。
■サブゼロ処理時の注意点
サブゼロ処理では、以下の点に注意が必要です。
単独では使用しない(必ず焼き戻しが必要)
材質によって効果差が大きい
処理条件管理が重要
目的(精度・寿命・安定性)を明確にした指定が重要です。
■サブゼロ処理の主な用途
金型部品
切削工具
精密シャフト
ゲージ・治具
高精度機械部品
寸法安定性と寿命が重視される分野で使われます。
■まとめ
サブゼロ処理は、焼き入れ後に残る不安定な組織を低温で整理し、硬度・耐摩耗性・寸法安定性を高めるための補助的熱処理です。高精度・高寿命を求める部品において、焼き入れ品質を一段引き上げる有効な手法といえます。
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