Carburizing Heat Treatment
浸炭焼き入れ とは?
浸炭焼き入れとは?|表面を硬く、内部を粘り強くする代表的な表面硬化処理
浸炭焼き入れとは、鋼材表面に炭素を浸透させた後に焼き入れを行い、表面のみを高硬度化する熱処理です。内部は靭性(粘り)を保ちつつ、表面には高い耐摩耗性・耐疲労性を付与できるため、歯車やシャフトなどの動力伝達部品で広く使用されています。
「表面硬化処理」の中でも、最も実績のある処理方法の一つです。
浸炭焼き入れの特徴
浸炭焼き入れの最大の特長は、硬さと粘りを同時に実現できる点です。
表面は非常に高硬度
内部は衝撃に強く割れにくい
耐摩耗性・耐疲労性が高い
部品寿命を大幅に延ばせる
繰り返し荷重がかかる部品に最適です。
浸炭焼き入れで得られる主な効果
浸炭焼き入れ処理により、以下の効果が得られます。
表面耐摩耗性の向上
疲労強度の大幅向上
焼付き・かじり防止
長寿命化・信頼性向上
特に歯面や摺動面で効果を発揮します。
浸炭焼き入れの基本工程
一般的な浸炭焼き入れ工程は以下の通りです。
浸炭(高温雰囲気中で炭素を表面に拡散)
焼き入れ(急冷)
焼き戻し(低温)
浸炭時間により、硬化層の深さが決まります。
浸炭焼き入れの硬化層特性(目安)
表面硬度:HRC58〜62程度
硬化層深さ:0.5〜2.0mm程度
内部硬度:HRC20〜35程度
※材質・条件・浸炭時間により変化します。
浸炭焼き入れが向いている材料
浸炭焼き入れは、低炭素鋼・低合金鋼で特に効果を発揮します。
S15C、S20C
SCM415、SCM420
浸炭用鋼材
炭素量が少ない材料ほど、内部靭性を確保しやすいのが特長です。
浸炭焼き入れと高周波焼き入れの違い
浸炭焼き入れ化学的に表面成分を変化・深い硬化層
高周波焼き入れ既存成分で表面のみ加熱・浅い硬化層
歯車などでは、浸炭焼き入れが主流です。
浸炭焼き入れ処理時の注意点
浸炭焼き入れでは、以下の点に注意が必要です。
処理時間が長い
歪み・寸法変化が発生しやすい
仕上げ研削が前提になる場合が多い
工程設計(荒加工→浸炭→仕上げ)が重要です。
浸炭焼き入れの主な用途
歯車・ピニオン
シャフト・軸
スプライン
カム・レバー
自動車・産業機械部品
高負荷・高耐久が求められる分野で多用されています。
まとめ
浸炭焼き入れは、表面の高硬度と内部の靭性を両立できる、非常に信頼性の高い表面硬化熱処理です。歯車や動力伝達部品において、耐摩耗性・耐疲労性を重視する場合の最有力選択肢といえます。
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