A2017 Aluminum Alloy
A2017
A2017とは、2000系アルミニウム合金に分類される材料で、一般的に「ジュラルミン」と呼ばれる代表的なアルミ合金です。
主にアルミニウムに銅を添加した合金で、純アルミやA5052に比べて強度が高く、機械加工性にも優れています。そのため、軽量でありながら強度が必要な部品に使われます。
一方で、耐食性や溶接性はA5052やA6061に比べて劣るため、使用環境や表面処理を考慮して選定することが重要です。
■A2017の基本情報
項目 | 内容 |
材料分類 | 2000系アルミニウム合金 |
英語表記 | A2017 Aluminum Alloy / Duralumin |
通称 | ジュラルミン |
主成分 | アルミニウム、銅、マグネシウムなど |
特徴 | 高強度、軽量、切削性が良い |
主な用途 | 機械部品、治具、航空機部品、精密加工部品 |
注意点 | 耐食性・溶接性はやや低く、表面処理が重要 |
■A2017の特徴
A2017の最大の特徴は、アルミ合金の中でも比較的高い強度を持つことです。
A5052のような板金向けアルミ材に比べて強度が高く、切削加工による機械部品に適しています。鉄鋼材よりも軽量でありながら、一定の強度を確保できるため、軽量化を目的とした部品設計で使われます。
また、切削加工性が良く、旋盤加工、フライス加工、マシニング加工に向いています。精密な形状や複雑な削り出し部品にも対応しやすい材料です。
■A2017のメリット
メリット | 内容 |
強度が高い | A5052より強度が高く、機械部品に使いやすい |
軽量 | 鉄に比べて軽く、装置や部品の軽量化に有効 |
切削性が良い | マシニング、旋盤、フライス加工に向いている |
寸法精度を出しやすい | 精密加工部品や治具部品に適している |
流通性がある | 丸棒・板材などで比較的入手しやすい |
■A2017のデメリット
A2017のデメリットは、耐食性があまり高くないことです。
銅を含むため、A5052やA6061に比べて腐食に弱い傾向があります。屋外、水分、塩分、薬品が関係する環境では、アルマイト処理、メッキ、塗装などの表面処理を検討する必要があります。
また、溶接性にも注意が必要です。A2017は溶接に不向きな材料とされることが多く、溶接構造部品にはA5052やA6061 が選ばれる場合があります。
■A2017の主な用途
分野 | 主な用途 |
機械加工 | ブロック部品、プレート、ブラケット、ホルダー |
治具・装置 | 加工治具、検査治具、位置決め部品、軽量治具 |
航空・輸送機器 | 軽量構造部品、機構部品、締結周辺部品 |
精密部品 | カメラ部品、測定器部品、装置部品 |
自動化設備 | ロボット周辺治具、搬送治具、軽量プレート |
試作部品 | 削り出し試作、機構確認用部品 |
■A2017の加工 性
A2017は、アルミ合金の中でも切削加工性に優れた材料です。
マシニング加工、旋盤加工、フライス加工、穴あけ、タップ加工などに対応しやすく、削り出し部品によく使われます。切削抵抗が比較的小さく、加工面もきれいに仕上げやすい点が特徴です。
ただし、アルミ材のため、工具への溶着や切りくずの絡みに注意が必要です。適切な工具、切削速度、クーラントを選ぶことで、寸法精度と表面品質を安定させやすくなります。
■A2017の表面処理
A2017は耐食性を 補う目的で、アルマイト処理を行うことがあります。
アルマイト処理によって表面に酸化皮膜を形成し、耐食性や耐摩耗性、外観性を向上させます。ただし、A2017は銅を含むため、A5052やA6061に比べてアルマイト後の色味がやや不均一になる場合があります。
外観品質を重視する場合は、材質、処理条件、色調、ロット差を事前に確認することが重要です。
■A2017とA5052の違い
項目 | A2017 | A5052 |
系統 | 2000系 | 5000系 |
通称 | ジュラルミン | 耐食アルミ系 |
強度 | 高い | A2017より低め |
耐食性 | やや低い | 良い |
溶接性 | 不向きな場合が多い | 良い |
加工用途 | 切削加工部品 | 板金・曲げ・溶接部品 |
主な用途 | 機械部品、治具、削り出し品 | カバー、筐体、パネル、板金部品 |
■A2017とA6061の違い
A6061は6000系アルミ合金で、強度、耐食性、溶接性、加工性のバランスが良い材料です。
A2017はA6061より強度を確保しやすい場合がありますが、耐食性や溶接性ではA6061が有利です。
切削加工で強度を重視する場合はA2017、構造材や溶接性・耐食性も含めてバランスを取りたい場合はA6061が選ばれることがあります。
■A2017とA7075の違い
A7075は、超々ジュラルミンと呼ばれる7000系アルミ合金で、A2017よりさらに高い強度を持ちます。
一方で、A7075は材料費が高く、耐食性や加工条件にも注意が必要です。A2017は、A7075ほどの高強度は不要だが、A5052より強度が必要な部品に適しています。
◆コストと強度のバランスを考える場合、A2017は使いやすい選択肢になります。
■A2017の注意点
A2017では、腐食、表面処理、溶接性に注意が必要です。
屋外や湿気の多い環境で無処理のまま使用すると、腐食が進む場合があります。耐食性が必要な場合は、アルマイト処理や塗装を検討します。
また、溶接構造には不向きな場合が多いため、溶接が必要な部品ではA5052やA6061への材質変更を検討することがあります。
強度部品として使う場合は、荷重方向、肉厚、応力集中、表面傷にも注意が必要です。
■図面指示で注意すべきこと
図面では、材質を「A2017」と明記し、必要に応じて調質記号、表面処理、アルマイト色、仕上げ面を指定します。
例えば、「A2017-T4」「A2017 白アルマイト」「A2017 黒アルマイト」「A2017 無処理」など、材料状態と仕上げ条件を明確にすることが重要です。
精密部品では、寸法公差、面粗さ、タップ深さ、バリ取り、傷の許容範囲も指定しておくと、加工トラブルを防ぎやすくなります。
■まとめ
A2017は、ジュラルミンと呼ばれる2000系アルミニウム合金で、軽量でありながら高い強度と優れた切削加工性を持つ材料です。機械部品、治具、精密加工部品、航空・輸送機器部品などに広く使われます。
A5052より強度が高く、削り出し部品に向いていますが、耐食性や溶接性は劣ります。屋外や水分が関わる環境では、アルマイト処理や塗装などの表面処理を検討することが重要です。
A2017は、軽量化と強度、切削加工性を重視する機械加工部品に適したアルミ合金です。
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