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着色アルマイト

着色アルマイトとは、アルミニウムやその合金の表面に陽極酸化処理(アルマイト処理)を施し、その酸化被膜に染料や顔料で色を付ける加工技術です。この処理は、耐食性や耐摩耗性の向上に加えて、美観や意匠性を高める効果があります。機能性と装飾性を兼ね備えた着色アルマイトは、さまざまな製品や分野で広く活用されています。

金属加工 アノダイス処理

着色アルマイトとは

着色アルマイトとは、アルミニウムやその合金の表面に酸化被膜を形成し、その被膜に染料や顔料を用いて色を付ける加工技術です。


陽極酸化処理(アルマイト処理)によって硬くて耐久性のある酸化被膜を生成し、その被膜を利用して美しい色を付けることで、耐久性や耐食性の向上だけでなく、高い意匠性を実現します。装飾性と機能性を兼ね備えた加工法として、自動車部品や家電製品、建築材など幅広い分野で活用されています。



着色アルマイトの特徴

しくみ

  • 陽極酸化処理: 電解液中でアルミニウムを陽極として電気を流し、表面に酸化被膜を形成します。

  • 染色: 酸化被膜の微細な孔に染料や顔料を浸透させて色を付けます。

  • 封孔処理: 着色した被膜を封孔することで、色落ちや汚れを防ぎ、耐久性を高めます。


加工内容

  • 表面保護: 耐食性や耐摩耗性を付加します。

  • 装飾性の向上: 多彩なカラーバリエーションが可能で、金属光沢を生かした美しい仕上がりが得られます。


耐久性

酸化被膜は硬く、耐摩耗性や耐腐食性が高いため、長期間にわたり製品を保護します。



加工性

複雑な形状の製品や小型部品でも均一に処理できるため、幅広い用途に対応可能です。



コスト

一度の処理で装飾性と保護性能を付加できるため、コストパフォーマンスが良い加工技術です。



着色アルマイトの種類

染料着色

酸化被膜に染料を浸透させて色を付ける方法。鮮やかな色彩が得られ、多くのカラーバリエーションに対応可能です。



電解着色

酸化被膜に金属イオンを電解により浸透させる方法。深みのある色合いを得られ、耐候性に優れています。



化学着色

特定の化学反応を利用して色を付ける方法。高い耐久性を持ち、特殊な色合いに適しています。



着色アルマイトに適した金属

純アルミニウム(A材)

酸化被膜が均一に形成されるため、最適な基材です。



アルミニウム合金(A5052、A6061など)

軽量で加工性が高く、さまざまな用途に使用可能です。



着色アルマイトで対応が難しい金属

高銅含有アルミ合金

酸化被膜の形成が不均一になることがあり、着色には適していません。


高硬度アルミ合金

酸化被膜の成長が抑制され、均一な着色が難しい場合があります。



着色アルマイトの活用例

家電製品

冷蔵庫やエアコンなどの外装部品に使用され、高級感を演出します。


自動車部品

内装パネルや外装アクセントパーツに採用され、デザイン性を向上させます。


建築材

窓枠や手すりなどの意匠性と耐久性を兼ね備えた製品に使用されます。


アクセサリー

カラフルなデザインの装飾品に加工され、高い意匠性を実現します。


着色アルマイトのメリット

耐久性の向上

表面を酸化被膜で保護することで、耐食性や耐摩耗性を高めます。


多彩な色表現

豊富なカラーバリエーションで、製品の意匠性を向上させます。


軽量かつ堅牢

軽量なアルミニウムに高い保護性能を付加します。


コスト効率

装飾と保護性能を一度の処理で実現できるため、コストパフォーマンスに優れています。


着色アルマイトの注意点

色ムラ

基材や処理条件によって色ムラが発生する可能性があるため、基材の選定が重要です。


耐候性

紫外線や長期使用により色あせが起きる場合があるため、用途に応じた選定が必要です。


特殊色のコスト

特定の色や高耐久性が求められる場合、加工コストが高くなることがあります。



まとめ

着色アルマイトは、アルミニウム製品に耐久性と装飾性を付加する加工技術です。豊富なカラーバリエーションや高い耐久性を備えており、自動車部品、家電製品、建築材、アクセサリーなど、幅広い分野で利用されています。


適切な基材選定と加工条件により、高品質な仕上がりを実現します。

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