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3D Laser Processing

三次元レーザー加工

三次元レーザー加工とは、平板ではなく、曲面・立体形状・成形品などに対してレーザー光を照射し、切断、穴あけ、トリミング、開口加工などを行う加工方法です。一般的な二次元レーザー加工が板材の平面切断を得意とするのに対し、三次元レーザー加工は、立体物の複雑な形状に沿って加工できる点が大きな特徴です。


自動車部品、プレス成形品、パイプ、筐体、金型関連部品、航空機部品、医療機器部品など、曲面や立体形状を持つワークの加工に使用さます。特に、プレス加工後の不要部分のトリミング、成形品への穴あけ、溶接前の開先加工などに有効です。


非接触で加工できるため、刃物や工具が届きにくい形状にも対応しやすく、専用金型や複雑な治具を減らせる点もメリットです。多品種少量生産や試作開発にも適した加工技術といえます。



■三次元レーザー加工の仕組み


三次元レーザー加工では、レーザー加工ヘッドをロボットや多軸加工機に搭載し、ワークの形状に合わせて角度や位置を制御しながら加工します。レーザー光を一点に集光し、照射部の材料を瞬時に溶融・蒸発させ、アシストガスで溶融物を吹き飛ばすことで切断や穴あけを行います。


加工には、5軸レーザー加工機や6軸ロボット、専用の三次元レーザー加工装置が使われます。加工ヘッドの姿勢を自由に変えられるため、曲面、傾斜面、パイプ外周、プレス成形品の側面などにもレーザーを適切な角度で照射できます。


高品質な加工を行うには、レーザー出力、焦点位置、加工速度、ノズル角度、アシストガス、ワークの固定方法などを適切に設定する必要があります。特に三次元形状では、ワークの位置ズレや姿勢ズレが加工精度に大きく影響するため、治具設計や位置補正も重要です。



■三次元レーザー加工の特徴


三次元レーザー加工の最大の特徴は、複雑な立体形状に対応できることです。曲面に沿った切断や、斜め方向からの穴あけ、パイプや成形品への開口加工など、通常の平面レーザー加工では難しい加工が可能です。


また、非接触加工であるため、工具摩耗がありません。エンドミルやドリルのように刃物を交換する必要が少なく、材料への機械的な負荷も抑えられます。そのため、薄板成形品や変形しやすい部品にも対応しやすい加工方法です。


さらに、CAD/CAMデータを活用することで、設計変更への対応が比較的容易です。金型や専用刃物を作り直す必要が少ないため、試作段階やモデルチェンジの多い製品にも適しています。


一方で、立体形状の加工では、加工ヘッドとワークの干渉、焦点距離の変化、反射角度、治具精度などを考慮する必要があります。設備だけでなく、加工ノウハウが品質を左右する技術です。



■三次元レーザー加工のメリット


三次元レーザー加工のメリットは、まず加工自由度の高さです。従来であれば、専用金型、プレス型、切削工具、複数工程を必要としていた加工を、レーザー加工で効率化できる場合があります。


特に、プレス成形後のトリミング加工では、製品形状に合わせて不要部分を正確に切り落とすことができます。機械的な切断に比べて工具摩耗がなく、形状変更にも柔軟に対応できます。


また、穴あけやスリット加工にも有効です。曲面や傾斜面に対しても狙った位置に加工できるため、配線穴、軽量化穴、取付穴、通気穴、排水穴などの加工に使われます。


さらに、加工工程の短縮にもつながります。複数の治具や工具を使っていた作業を三次元レーザー加工に置き換えることで、段取り時間を削減し、短納期化を実現しやすくなります。試作から量産まで幅広く活用できる点も大きな利点です。



■対応できる材料とワーク形状


三次元レーザー加工は、鉄、ステンレス、アルミ、チタン、銅、真鍮などの金属材料に対応できます。設備仕様やレーザー出力によって対応可能な板厚や材質は変わりますが、板金成形品やパイプ材、筐体部品などで多く活用されています。


代表的なワーク形状としては、プレス成形品、深絞り部品、パイプ、角パイプ、板金筐体、曲げ加工品、溶接構造品、鋳造品、樹脂成形品などがあります。


自動車業界では、ボディ部品、補強部品、排気系部品、シートフレーム、ピラー、バンパー関連部品などに使われます。航空機や医療分野では、軽量化部品や高精度部品の加工にも活用されます。


ただし、材料の反射率や熱伝導率、板厚、表面状態によって加工条件は大きく変わります。アルミや銅などの高反射材では、設備仕様や安全対策を含めた事前確認が必要です。



■二次元レーザー加工との違い


二次元レーザー加工は、主に平板を対象にした切断加工です。板材をテーブル上に置き、X軸・Y軸方向にレーザーを動かして輪郭を切断します。ブラケット、プレート、カバー、平板部品などの加工に適しています。


一方、三次元レーザー加工は、立体形状や曲面形状を対象にします。加工ヘッドの角度を変えながら、ワークの表面形状に合わせて加工するため、成形後の部品や複雑な構造物にも対応できます。


つまり、二次元レーザー加工は「平面を切る加工」、三次元レーザー加工は「立体物に沿って切る加工」と考えるとわかりやすいです。


ただし、三次元レーザー加工は自由度が高い分、設備費や加工プログラム作成、治具設計、位置補正の難易度が高くなります。そのため、単純な平板切断であれば二次元レーザー加工、立体形状や成形後の加工であれば三次元レーザー加工という使い分けが重要です。



■主な用途


三次元レーザー加工の代表的な用途は、プレス成形品のトリミングです。成形後に発生する余肉や不要部分を、製品形状に沿って高精度に切断できます。自動車部品や家電部品などで多く採用されています。


次に、穴あけ加工があります。曲面や側面、傾斜面に対して、取付穴、軽量化穴、配線穴、放熱穴などを加工できます。ドリルでは角度や位置が難しい箇所でも、レーザーなら非接触で加工しやすい場合があります。


また、パイプ加工にも利用されます。丸パイプや角パイプに対して、斜め切断、切欠き、長穴、接合用の開口部などを加工できます。配管、フレーム、手すり、構造部材などに有効です。


そのほか、溶接前の開先加工、成形品の端部カット、試作品の形状修正、金型レスの小ロット加工などにも使われます。



■加工精度と品質管理のポイント


三次元レーザー加工で安定した品質を得るには、ワークの固定精度が重要です。立体形状のワークは、置き方や固定位置がわずかに変わるだけで、加工位置がずれる可能性があります。そのため、専用治具や位置決めピン、クランプ方法の設計が欠かせません。


また、加工ヘッドとワークの距離、焦点位置、ノズル角度も品質に影響します。焦点がずれると切断幅や切断面が不安定になり、バリやドロスが発生しやすくなります。


さらに、CADデータと実物形状の差にも注意が必要です。プレス成形品や溶接品では、スプリングバックや歪みにより、理論上の3Dデータと実際のワーク形状が完全に一致しない場合があります。そのため、現物合わせ、測定データによる補正、カメラやセンサーによる位置補正が有効です。


三次元レーザー加工は、設備性能だけでなく、治具、プログラム、測定、補正技術を含めた総合的な加工管理が重要になります。



■三次元レーザー加工の注意点


三次元レーザー加工では、加工ヘッドとワークの干渉に注意が必要です。立体物の内側や狭い空間を加工する場合、ノズルやロボットアームがワークや治具に接触するリスクがあります。事前のシミュレーションが重要です。


また、熱影響による歪みも考慮する必要があります。レーザー加工は局所的に高温になるため、薄板や細長い部品では反りや変形が発生することがあります。加工順序や固定方法を工夫することで、歪みを抑えることができます。


高精度な加工を求める場合は、ワークのばらつきにも注意が必要です。同じ形状の部品でも、プレス成形や溶接の条件によって微妙な寸法差が出ることがあります。量産では、ワークばらつきを見込んだ治具設計と補正方法が必要です。


さらに、単純な平板切断に比べると、加工プログラム作成や段取りに時間がかかる場合があります。そのため、数量、形状、精度、納期を踏まえて、三次元レーザー加工が最適かどうかを判断することが大切です。



■まとめ


三次元レーザー加工は、曲面や立体形状のワークに対して、高精度な切断、穴あけ、トリミングを行える加工技術です。プレス成形品、パイプ、筐体、溶接構造品など、通常の二次元レーザー加工では対応しにくい形状に強みがあります。


非接触加工のため工具摩耗がなく、設計変更や多品種少量生産にも対応しやすい点がメリットです。自動車部品、産業機械部品、航空機部品、医療機器部品など、幅広い分野で活用されています。


一方で、三次元形状の加工では、治具精度、位置補正、焦点管理、干渉確認、熱歪み対策が重要になります。高品質な加工を実現するには、設備性能だけでなく、加工ノウハウと工程設計が欠かせません。


三次元レーザー加工は、複雑形状の高精度加工、試作開発、金型レス加工、工程短縮を実現する有効な手段です。立体形状部品の加工性や品質向上を検討する際に、非常に有力な選択肢となります。

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